2018年度の出来事

日本畜産学会第125回大会(2019/03/29)

麻布大学で開催された日本畜産学会第125回大会にて,兵頭亮介くん(B4),小川(代理)が以下の発表を行いました.

  • 沖本祐典,斎藤奨,中野鐵兵,赤羽誠,小林哲則,小川哲司,``映像情報による肉牛の分娩検知システムにおけるクラウドソーシングを用いた誤検出抑制,'' 日本畜産学会 第125回大会,XIII-29-09,March 2019. [SlideShare]

  • 兵頭亮介,安田早希,斎藤奨,菅原一真,中野鐵兵,赤羽誠,小林哲則,小川哲司,``画像情報による黒毛和牛種の状態識別に基づいた分娩予兆検知システム,'' 日本畜産学会 第125回大会,XIII-29-10,March 2019. [SlideShare]

映像による分娩検知システムをクラウドソーシングを活用して早期運用可能にする仕組みの話と,分娩検知の判断根拠を提示可能にするネットワークの話です.畜産農家さんと議論を重ねたうえで解くべき課題を切り出していることもあり,好意的な意見を多くいただきました!

学位授与式(2019/03/26)

学位授与式が行われ,小川研の修士2年生5名に修士(工学),学部4年生7名に学士(工学)の学位が授与されました.おめでとうございます.今後の活躍を期待しています!

  • 修士(工学):芦川博人,内田陵斗,菅原一真,長谷川隆徳,横山勝矢

  • 学士(工学):田辺ひかり,露木浩章, 錦織 崇宏,兵頭亮介,堀内優佳, 真殿 航輝,安田早希

今回修了した5名は小川研初の修士課程修了生となります.小林研と共同運営とは言え,新設の研究室に配属されるというリスクを取ってくれた志の高い学生でした.研究面でも研究以外の面でも小川研の礎を築いてくれたことに心から感謝しています!

なお,芦川博人くん,長谷川隆徳くん,横山勝矢くんが情報理工・情報通信専攻賞を受賞し,学位授与式において表彰されました.おめでとうございます!

2019年3月度音声研究会(2019/03/14)

長崎県伊王島で開催された電子情報通信学会・2019年3月度音声研究会にて田辺ひかりさん(B4)が雑音抑圧に関する研究発表を行いました.

  • 田辺ひかり,俵直弘,小林哲則,藤枝大,片桐一浩,矢頭隆,小川哲司,``敵対的デノイジングオートエンコーダを用いた拡散性雑音除去,'' 電子情報通信学会技術研究報告 (SP), SP2018-87, pp.155-160, March 2019. [CiNii]

敵対的デノイジングオートエンコーダ(ADAE)単体で多様な入力に対処するためには膨大なデータを必要とするなど学習が困難なので,その前段に空間フィルタを配置して残留雑音や処理歪を抑圧の対象とすることで,ADAEの学習を容易にしてみました,というシリーズで,今回は,拡散性雑音抑圧において評価してみました.

鹿児島ITビジネス研究会 (2019/03/13)

鹿児島ITビジネス研究会にて,小川が「最近の人工知能技術事情と鹿児島県における産学連携導入事例」という内容で講演を行いました.畜産支援の共同研究先よりお招きいただきました.人工知能技術の活用における企業側の最大の課題は,やはり「説明可能性」や「納得感」のようで,有意義な意見交換の場となりました.

風力エネルギー利用シンポジウム優秀発表賞(2019/03/12)

昨年12月に開催された第40回風力エネルギー利用シンポジウムにて佐伯真於くん(M1)が発表した「畳込みニューラルネットワークを用いた風車異常検知システムにおける判断根拠の可視化に関する検討」が優秀発表賞に選ばれました.おめでとうございます!

日本音響学会・粟屋潔学術奨励賞受賞(2019/03/06)

俵直弘くん(講師)が日本音響学会・粟屋潔学術奨励賞を受賞し,春季研究発表会にて表彰されました.おめでとうございます!

日本音響学会春季研究発表会(2019/03/05)

電気通信大学で開催された日本音響学会春季研究発表会にて,俵直弘くん(講師),樋口陽祐くん(小林研B4),小川(代理)が以下の発表を行いました.

  • 俵直弘,田辺ひかり,小林哲則,藤枝大,片桐一浩,矢頭隆,小川哲司,``noise-aware学習を用いた敵対的デノイジングオートエンコーダによるポストフィルタリング,'' 日本音響学会研究発表会講演論文集,pp.159-162,March 2019.

  • 樋口陽祐,俵直弘,小川哲司,小林哲則,``ゼロリソース言語音声認識のための発話者の違いに頑健な特徴抽出,'' 日本音響学会研究発表会講演論文集,pp.923-924,March 2019.

  • 芦川博人,森岡幹,俵直弘,小川厚徳,岩田具治,小川哲司,小林哲則,``ドメイン属性情報を用いたRNN言語モデルのドメイン汎化,'' 日本音響学会研究発表会講演論文集,pp.927-930,March 2019.

  • 俵直弘,小林哲則,小川哲司,``音韻・話者特徴抽出のためのディスエンタングリングニューラルネットワークの実現にむけて,'' 日本音響学会研究発表会講演論文集,pp.1003-1004,March 2019.

マリンITワークショップ2019いしがき(2019/03/01)

石垣島で開催されたマリンITワークショップ2019いしがきにて,小川が漁師さんの直感にあった漁獲量心理尺度に関する研究を紹介しました.漁獲量に関する予測誤差が100kgであっても,100kgを200kgと誤るのと,1100kgを1200kgと誤るのでは罪深さは異なります.このような感覚を反映した漁獲量心理尺度を策定し確率モデルを最適化してみると,漁師さんの直感にあった予測ができそうです,という話です.

  • 小川哲司,幸加木裕也,橋本和夫,小林哲則,福島正義,井戸上彰,``漁獲量心理尺度と機械学習による漁獲量予測モデルの最適化への利用,'' マリンITワークショップ2019いしがき, March 2019.

八重山漁協やヤイトハタ養殖場なども見学させていただき,非常に勉強になりました.現場に足を運ぶと,日本の水産業は精緻な技術と職人さんの経験に基づく丁寧な作業によって成り立っていると痛感します.なんでもかんでも人工知能技術で効率化云々とは思いませんが,休みなしで働く現場の方々の苦労を少しでも減らすのに貢献できれば・・・と思っています.

プロジェクト研究B報告会(2019/02/20)

プロジェクト研究B(小林研・小川研)の成果報告会を実施しました.もはやプロジェクト研究のレベルを逸脱したレベルの高さに頭が下がります.皆さん,お疲れさまでした!

(以下はプロジェクト一覧です)

  • 言語:二択読解問題におけるモデルの検討

  • 言語:外部知識を用いたReading Comprehension

  • 言語:テキスト対話の感情分類

  • 言語:ActiveQAによるQA補助システム

  • 言語・画像:Single-Stream Temporal Action Proposalsにおける動作予測区間が動作分類精度に与える影響の調査

  • 言語・画像:シーングラフ認識におけるattributeの有用性

  • 対話:発話継続判定システムの構築

  • 対話:ロボットの顔向き推定における顔表情認識の利用

  • 対話:様々なニューラルネットワークによる発話意図推定の比較

  • 対話:ニューラルネットワークを用いた音声の韻律推定モデル

  • 音声・言語:講義音声中の重要箇所推定

  • パターン認識:顔表情認識における個人依存性

  • パターン認識:話者の性別・年代の識別

  • 音響信号処理:複数の音源分離手法の比較

卒業論文・修士論文発表会(2019/01/26)

早大の8研究室(誉田研・匂坂研・小林研・池永研・菊池研・及川研・小川研・松居研)合同の卒論・修論発表会を開催しました.発表したみなさん,運営の皆さん,お疲れさまでした!小林研・小川研からは,長谷川美夏さんと芦川博人くんが修士優秀賞を受賞しました.おめでとうございます!

パターン認識・メディア理解研究会(2018/12/14)

東北大学にて開催されたパターン認識・メディア理解研究会(PRMU)にて,菅原一真くん(M2),兵頭亮介くん(B4)が映像からの牛の分娩予兆検知に関する発表を行いました.

  • 兵頭亮介,安田早希,斎藤奨,沖本裕典,中野鐵兵,赤羽誠,小林哲則,小川哲司,``画像からの牛の状態識別に基づく分娩予兆検知,'' 電子情報通信学会技術研究報告 (PRMU),PRMU2018-90, pp.79-84, Dec. 2018.

  • 菅原一真,中野鐵兵,赤羽誠,小林晢則,小川哲司,``映像からの牛の分娩予兆行動検知に関する検討,'' 電子情報通信学会技術研究報告 (PRMU),pp.57-60, PRMU2018-85, Dec. 2018.

第20回音声言語シンポジウム,学生ポスター賞(2018/12/10)

早稲田大学西早稲田キャンパスにて開催された第20回音声言語シンポジウムにて,芦川博人くん(M2)が言語モデルのドメイン汎化に関する発表を行い,学生ポスター賞を受賞しました.おめでとうございます!

  • 芦川博人,森岡幹,俵直弘,小川厚徳,岩田具治,小川哲司,小林哲則,``RNN言語モデルのためのドメイン属性情報を用いたゼロショット学習,'' 情報処理学会研究報告 (SLP),vol.2018-SLP-125, no.13, pp.1-6, Dec. 2018. [学生ポスター賞]

第40回風力エネルギーシンポジウム(2018/12/05)

科学技術館にて開催された第40回風力エネルギー利用シンポジウムにて,長谷川隆徳くん(M2)と佐伯真於くん(M1)が風車異常検知に関する研究発表を行いました.「風車異常検知システムをあらゆる風車で早期運用するための技術」や「異常検知の判断根拠を説明可能にするための技術」という,風車運用事業者にとって役に立つ技術の研究に注力してきたことに対して激励の言葉をいただきました.

  • 長谷川隆徳,緒方淳,村川正宏,小川哲司,``正常稼働状態の表現学習に基づく風車異常検知,'' 第40回風力エネルギー利用シンポジウム,pp.454-457, Dec. 2018. [SlideShare]

  • 佐伯真於,緒方淳,村川正宏,小川哲司,``畳み込みニューラルネットワークに基づく風車異常検知システムにおける判断根拠の可視化に関する検討,'' 第40回風力エネルギー利用シンポジウム,pp.458-461, Dec. 2018. [SlideShare] [優秀発表賞]

APSIPA2018(2018/11/15)

ホノルルにて開催されたAsia-Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference 2018 (APSIPA2018)にて,俵直弘講師(小林研)が敵対的生成ネットワークを用いた雑音除去に関する研究発表を行いました.マルチチャネル信号処理を利用できるならば利用し,その消し残りや信号処理歪を人の声らしさを基準として深層学習技術により抑圧しましょう,というアプローチです.システムが利用される環境情報を事前に学習しておくことが困難な場合,end-to-end な雑音抑圧は筋が悪く,そのようなシーンに有効であると考えています.

  • Naohiro Tawara, Tetsunori Kobayashi, Masaru Fujieda, Kazuhiro Katagiri, Takashi Yazu, Tetsuji Ogawa, ``Adversarial autoencoder for reducing nonlinear distortion,'' Proc. APSIPA2018, pp.1669-1673, Nov. 2018. [DOI] [Scopus]

CSSW2018(2018/10/13)

情報理工学科・情報通信学科の8研究室によるワークショップが名称を Computer Science Student Workshop(CSSW)と改め開催されました.非公式のゆるーい感じの研究発表会で,春学期の成果をまとめる良い機会になっています.本年度から運営の主体が学生に移り,研究室の枠を超えたコミュニケーション活性化のための多くの施策がなされました.投票アプリやポジションペーパー名札の導入から懇親会の運営に至るまで,新しい試みは大成功だったと思います.実行委員長の斎藤奨くん(小林研博士課程)の尽力には頭が下がります.お疲れさまでした.また,小林研・小川研からは,真殿航輝くんが学部の優秀賞,横山勝矢くん・奥田真由さんが酒井先生賞を受賞しました.おめでとうございます.ちなみに,今年の小川賞はUSB接続のビッグエンターキーにしました.

小林研・小川研夏合宿(2018/09/20)

鴨川セミナーハウスにて2泊3日で小林研・小川研合同の夏合宿を実施しました.B4とM2の卒論・修論の中間報告を行った後は例年通りひたすら遊ぶ訳ですが,今年度は終始雨模様だったので,鴨川シーワールドに行ってきました.鴨川セミナーハウスは何度も行っていますが,初のシーワールドです.

シャチのショーが素晴らしい.シャチというか,シャチから大量の海水を浴びせかけられても逃げない学生が素晴らしい.私は(小林先生も)すぐに逃亡しましたが.

日本水産学会秋季大会(2018/09/16)

広島大学にて開催された日本水産学会秋季大会にて,堀内優佳さん(B4)が定置網漁のための日単位漁獲量予測に関する発表を行いました.学習データが少ないときは,定置網の構造や網内での魚の確率的な振る舞いをモデルに組み込んだデータ同化的アプローチが機械学習によるアプローチよりも有効ですよ,という話を紹介しました.

  • 堀内優佳,幸加木裕也,小林哲則,小川哲司,``定置網漁の日単位漁獲量予測モデリングにおける学習データ量と予測性能の関係の調査,'' 日本水産学会秋季大会,Sept. 2018.

ICPR2018(2018/08/21)

北京で開催された24th International Conference on Pattern Recognition (ICPR2018)にて,幸加木裕也くん(M1)が定置網漁のための漁獲量予測に関する発表を行いました.定置網の構造や網内での魚の確率的な振る舞いを状態空間モデルで定式化し,ハミルトニアンモンテカルロで最適化&逐次予測を行っています.パターン認識の会議で定置網の図は目を引くようで,網内の魚の振る舞いを事前情報としてモデルに組み込むことでデータが足りなくても信頼性を向上させる,というコンセプトに興味を持ってもらえたようです.

  • Yuya Kokaki, Naohiro Tawara, Tetsunori Kobayashi, Kazuo Hashimoto, Tetsuji Ogawa, ``Sequential fish catch forecasting using Bayesian state space models,’’ Proc. ICPR2018, pp.776-781, Aug. 2018. [DOI] [Scopus]

日本繁殖生物学会若手サマーセミナー合宿2018(2018/08/17)

東京大学附属牧場(茨城県笠間市)で開催された日本繁殖生物学会若手サマーセミナー合宿に小川が参加し,「情報工学から考えるIoTと畜産の未来」という(仰々しい)タイトルで映像情報を用いた牛のモニタリングに関する研究を紹介しました.

  • 小川哲司,``情報工学から考えるIoTと畜産の未来,'' 日本繁殖生物学会若手サマーセミナー合宿, Aug. 2018. [記事]

勘・コツで意思決定がなされている業界においては,ビッグデータの利用は当然想定できないので,持続的な成長を可能とするようにシステムを設計することが重要ですよ,さらに,最終的な判断は「人」なので,データが集まったとしてもend-to-endの深層学習が筋が良いとは限らないですよ・・・というメッセージを込めました.畜産・繁殖の専門家との議論は非常に有益で,連携すればスピード感を持って様々な課題にアプローチできるワクワク感が充満していました.

講演の後,「講演者と共同研究するには?」というお題のグループワークに参加しました.技術の進化によって,人の果たすべき役割が劇的に変化する可能性を感じる今日この頃ですが,今後人工知能関連技術の導入が避けられない畜産業界において,人は家畜とどう関わっていくべきか,畜産農家や獣医の在り方はどうあるべきか?という,畜産の専門家や獣医さんならではの視点で議論が展開され,非常に刺激的な時間となりました.畜産に係る人と動物にとって本当に望ましい姿とは何で,近年の情報技術の進化によってそれをどう実現しようとするのか・・・そういった観点で,自らの研究を捉え直す良い機会になりました.

今回,お誘いいただいた運営委員会の皆様に心より感謝申し上げます.

SDPC2018(2018/08/17)

中国・西安で開催された 2018 International Conference on Sensing, Diagnostics, Prognostics, and Control (SDPC2018) にて,峰村今朝明くん(社会人博士)が回転機器の音響診断に関する発表を行いました.音響信号の周期の時間変動について統計を取ると,正常稼働時と異常時について識別的な特徴が得られます,という話です.周辺雑音に頑健な周期推定も併せて提案しています.学習データが非常に少なく,特徴抽出をきちんと行う必要があるケースに有用と考えています.

  • Kesaaki Menemura, Tetsuji Ogawa, Tetsunori Kobayashi, ``Acoustic feature representation based on timbre for fault detection of rotary machines,'' Proc. SDPC2018, pp.302-305, Aug. 2018. [DOI] [Scopus]

プロジェクト研究A報告会(2018/08/07)

「プロジェクト研究A」(小林研・小川研)の成果報告会を実施しました.すぐに卒論になるのではないかという,レベルの高い内容ばかりで驚愕しました.皆さん,お疲れさまでした!

(以下はプロジェクト一覧です)

  • パターン認識:グライダーの飛行解析

  • パターン認識:画像情報を用いた牛の方向推定

  • パターン認識:映像情報を用いた流星の検出

  • HCI:ノートテイク支援システムの開発

  • 対話:画像情報を用いた顔表情認識(2名のグループワーク)

  • 対話:人・ロボット対話のための視線検出

  • 対話:音声情報を用いた発話意図推定

  • NLP:属性を用いた比喩表現判定

  • NLP:文系列の分散表現に基づくStory Cloze Test

  • NLP:フレーズの分散表現構成法とその評価

マリンITワークショップ2018(2018/08/02)

マリンITワークショップ2018 にて,小川が定置網漁のための日単位漁獲量予測に関する研究を紹介しました.ビッグデータに頼れないときに事前知識を組み込むことでモデルの信頼性を向上させるのは常套手段ですが,定置網の構造と網内の魚の振る舞いを事前知識として利用すると予測誤差を結構減らせましたよ,という話です.

  • 小川哲司,``状態空間モデルを用いた定置網漁のための日単位漁獲量予測,'' マリンITワークショップ2018, Aug. 2018. [facebook]

このマリンITワークショップは,情報技術で水産業にアプローチしている技術者・研究者・漁業従事者が一同に会するワークショップで,今年で19年目を迎えるのだそうです.今回初参加ということでイベントにはフル参加し(函館港まつりの「いか踊り」含む),交流を深めました.

この業界は当然ながらビッグデータは想定できず,そもそもデータ収録も相手が海となると困難を極め,センサからパターン認識,ユーザインタフェースに至るまで,非常にチャレンジングな課題ばかりでやりがいのある分野だと再認識しました.

音声言語情報処理研究会(2018/07/26)

第123回音声言語情報処理研究会(SIG-SLP)にて俵直弘講師が音声強調に関する発表を行いました.時間・周波数マスキングなどの非線形音声強調処理は雑音を高精度に抑圧できるものの,耳障りな歪が生じます.このような歪を抑圧しながら雑音を高精度に除去するために,敵対的デノイジングオートエンコーダを導入し,かつ雑音情報を補助情報として入力すると上手くいきます,という話です.

  • 俵直弘,小林哲則,藤枝大,片桐一浩,矢頭隆,小川哲司,``非線形ひずみ除去のための敵対的 denoising autoencoder,'' 情報処理学会研究報告 (SLP),vol.2018-SLP-123,no.1, pp.1-5, July 2018.

SLPは年5回のうちの2回が温泉にて合宿形式で実施され(音泉研究会と呼ばれています),夜の部(今回は国際会議報告)の後,懇親会が延々と続きます.最近は音声関係の学会・研究会に全然参加できていなかったので,音声研究者の皆さんとの議論?を久しぶりに楽しみました.

E-JUST CSE専攻懇談会(2018/07/10)

E-JUSTの春セメスターが終了し帰国された尾内理紀夫先生からの報告会ということで,E-JUST CSE専攻の関係教員の懇談会(通称,CSE密談)が実施されました.専攻幹事の上田先生の呼びかけで竹内郁雄先生,和田康孝先生,石塚満先生,尾内理紀夫先生,小川と,長期派遣教員が揃い,毎年渡航される中島達夫先生と近々E-JUST学生を受け入れていただく甲藤二郎先生と亀山渉先生にもご参加いただきました.そして,在京のJICA岡野さんも合流.エジプト滞在中は正直苦しいことが多々あった訳ですが,学内・学外問わず多くの魅力的な先生方,JICAスタッフの皆さんとの出会いはかけがえのない財産になったと思っています.それにしても,セメスターごとに開催されている「密談」ですが,一向に話題が尽きないのがE-JUST(というかエジプト)の魅力的なところです.

IEEE ICPHM2018(2018/06/13)

機器の監視・保全に関する国際会議 2018 IEEE International Conference on Prognostics and Health Management (ICPHM2018) にて,長谷川隆徳くん(M2)が風力発電設備の異常検知に関する発表を行いました.他の機器で故障が生じた場合,その価値のあるデータを効果的に利用する方法を提案しています.

  • Takanori Hasegawa, Jun Ogata, Masahiro Murakawa, Tetsuji Ogawa, ``Tandem connectionist anomaly detection: Use of faulty vibration signals in feature representation learning,’’ Proc. ICPHM2018, pp.1-7, June 2018. [DOI] [Scopus] [SlideShare]

https://www.slideshare.net/pcl-lab/tandem-connectionist-anomaly-detection-use-of-faulty-vibration-signals-in-feature-representation-learning

人工知能学会全国大会(2018/06/06)

人工知能学会全国大会にて沖本祐典くん(M1)が発表しました.牛の分娩の兆候に関連する状態を映像から検知する話です.今回はデータ収集系やクラウドソーシングによるラベル付与などに焦点を当てて紹介しました.鹿児島開催ということで参加したかったのですが,中間試験と重なり叶いませんでした.

  • 沖本祐典,菅原一真,齊藤奨,中野鐵兵,赤羽誠,小林哲則,小川哲司,``牛の分娩予兆として映像から観測可能な状態の検知,'' 人工知能学会全国大会,2G3-OS-10c-03,June 2018. [DOI] [CiNii]

日本風力エネルギー学会誌(2018/06/04)

産総研緒方さんらと執筆した「データ駆動型アプローチによる異常検知」に関する解説記事が日本風力エネルギー学会誌に掲載されました.データ駆動型異常検知に関する文献調査と我々が提案しているデータ転用の試みを紹介しています.主著者は長谷川隆徳くん(M2)です.

  • 長谷川隆徳,緒方淳,村川正宏,小川哲司,``AIで風車の異常を見つける:データ駆動型アプローチによる異常検知の最新動向,'' 日本風力エネルギー学会誌,vol.42,no.1,pp. 72-76,May 2018. [DOI] [CiNii]

情報通信学科2年生オリエンテーション(2018/06/02)

早稲田大学軽井沢セミナーハウスにおいて開催された情報通信学科2年生オリエンテーションに参加しました.例年西早稲田キャンパスで実施していた学科オリエンテーションですが,本年度は情報通信学科になって初の合宿形式での実施となりました.主役の2年生は7チームに分かれてのミッションラリーやアイデアソンなどに参加し,親睦を深めました.

運営サイドの主担当は小林先生で,小林研・小川研からは俵講師および学生8名がアシスタントとして参加しました.企画やアイデアソンのファシリテーター等運営に携わっていただきました.お疲れさまでした.

平成30年度「情報通信月間」東北総合通信局長表彰(2018/06/01)

早大がデータ解析を担当した「スマート漁業推進コンソーシアム」の取り組み(総務省・IoTサービス創出支援事業,課題名:海洋ビッグデータを活用したスマート漁業モデル事業)が,平成30年度「情報通信月間」東北総合通信局長表彰を受けました.現在も引き続き,総務省SCOPEプロジェクト「局所的海洋データを活用した漁業の効率化の研究開発」にて,日単位の漁獲量予測基本方式の開発を担当しております.

(報道情報)

  • 総務省「平成30年度「電波の日・情報通信月間」記念式典を開催―情報通信の発展に貢献された個人、団体を表彰―」は(こちら

小林研・小川研春合宿(2018/05/19)

小林研・小川研合同の春合宿を伊豆川奈セミナーハウスにて実施しました.昼夜問わずひたすら遊び,親睦を深めました.

ICASSP2018(2018/04/19)

カナダのカルガリーで開催された 2018 IEEE International Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP2018) にて,土屋平くん(M1)と森岡幹くん(小林研D3)が発表を行いました.ニューラルネットワーク言語モデルのドメイン適応の話(森岡)と,敵対的学習を使った話者の違いに頑健な特徴抽出の話(土屋)です.私は授業を休講にできず参加は叶いませんでしたが...

  • Tsuyoshi Morioka, Naohiro Tawara, Tetsuji Ogawa, Atsunori Ogawa, Tomoharu Iwata, Tetsunori Kobayashi, ``Language model domain adaptation via recurrent neural network with domain-shared and domain-specific representations,’’ Proc. ICASSP2018, pp.6084-6088, April 2018. [DOI] [Scopus]

  • Taira Tsuchiya, Naohiro Tawara, Tetsunori Kobayashi, Tetsuji Ogawa, ``Speaker invariant feature extraction for zero-resource languages with adversarial training,’’ Proc. ICASSP2018, pp.2381-2385, April 2018. [DOI] [Scopus]

2018年度研究室配属(2018/03/29)

学部4年生7名(うち修士課程進学が4名)が小川研に配属されました(小川研としては第3期生となります).これで小川研の学生は修士課程9名,学部7名の計16名となりました.小林・小川研で数えると学生だけで42名の大所帯となります.合宿のセミナーハウスの予約が困難を極めますね.