滋賀県彦根市の稲部遺跡で、弥生時代末期(3世紀前半)~古墳時代前期(三世紀後半)の、最大面積188㎡の複数の大型建物跡と30棟以上の竪穴建物が発見されたと市教委が発表した。
同時期では、奈良県桜井市の纏向遺跡の大型建物(238㎡)に次ぐ規模。大型建物は7棟あり、儀礼施設や首長居館、倉庫などと考えられる。
竪穴建物の23棟から、鉄片など約6kgが出土し、鍛冶工房跡と考えられるが、当時としては国内最大規模である。ハンマーとして使った石や完成品の鉄鏃なども出土した。
周辺からは朝鮮半島の土器や、福井、岐阜、静岡、奈良、鳥取など各地の土器も出土している。
★ずっと南の野洲市の大岩山古墳や古冨波山古墳からは卑弥呼に与えられた鏡と思われる三角縁神獣鏡が出土しており、今昔物語の記述から、三上山を祭る大勢力が野洲周辺に展開していた様子がうかがえる。三上神社の祭神から額田部氏の祖先と考えられるが、勢力的にははこちらの方が大きいだろう。
同じく、今昔物語から、野洲郡の南の栗太郡(栗東市、草津市周辺)にも巨大勢力があったと推定できる。
関連リンク 「三角縁神獣鏡と卑弥呼の鬼道」
http://www.eonet.ne.jp/~temb/9/kagami/Sinzyukyo.htm
「柞の大木の話」
http://www.eonet.ne.jp/~temb/6/Zyomon3.htm