兵庫県南あわじ市(淡路島)八木にある入田稲荷前遺跡から、中国で紀元14~40年に鋳造され、弥生時代にもたらされた青銅製の貨幣「貨泉」3枚が出土したと同市教育委員会が18日に発表した。複数枚が重なった状態で発見されるのは珍しいという。
兵庫県内での貨泉の出土は7遺跡10点。全国では九州や近畿、瀬戸内海沿岸などの遺跡で計179枚が見つかっている。
市教委の担当者は「古代中国の貨幣が伝わったのは、弥生時代後期に淡路島が海上交易の要衝だったことを示す貴重な史料」と話した。
貨泉は中国・新時代(8~23年)の貨幣で、その後の後漢時代の40年まで鋳造されていた。3枚は、直径2.27~2.32センチ、重さは1.45~2.53グラム。大きさや重さから、後漢初頭に造られた可能性が高いと判断した。