2015/04/17 京都府城陽市の久津川車塚古墳の作り出しに埋葬施設
城陽市教委は城陽市平川にある久津川車塚古墳の発掘調査を行い、4月17日、古墳のくびれ部に作り出しがあり、中央部分に埋葬施設と推定される長方形の掘り込みが見つかったと発表した。造り出しの中央付近で南北約8メートル、東西約3・5メートルの長方形の掘り込みを見つけ、中央付近にあることなどから埋葬施設と推定した。また、南端部や西側部分では10mの円筒埴輪列も発見されている。造り出しで埋葬施設が確認されているのは兵庫県加古川市の「行者塚古墳」だけで、全国的にも珍しいという。
調査を指導した岸本直文・大阪市立大准教授は「造り出しの機能として埋葬の場に利用することがあったことを示している。造り出しの機能を整理する必要性を提起するものだ」とコメントしている。(産経新聞記事より)
久津川車塚古墳は五世紀前半築造で、外濠を含めた全長は272m、墳丘長は180mという山城地域最大の前方後円墳。埋葬施設は長持型石棺を直接埋めたもので石室などはない。石棺内外からは鏡、甲冑などの副葬品が出土している。
★四世紀の垂仁天皇が、殉死を止めさせ、代わりに人の埴輪を使ったと日本書紀に記されている。これに少し遅れる久津川古墳作り出しの埋葬者は殉死者ではないだろう。近親者なら古墳本体に埋められるだろう。側近の大物は近くに小さな古墳を作ったらしい。そうなると、身分の低い、身のまわりの世話をしたような人物を死後に葬ったのかということになるが、すべてが想像でしかない。