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日本学術振興会シリコン超集積化システム第165委員会は2022年4月1日より応用物理学会 超集積エレクトロニクス産学連携委員会として生まれ変わります。

1. 委員会の役割

日本学術振興会シリコン超集積化システム第165委員会は,発展する半導体大規模集積回路技術をデバイスおよびシステムの両面から横断的に研究することを目的に平成8年11月に設置され,4期(1期5年)にわたって活発な活動を行っています。この間にトランジスタの極限微細化を実現するための素子技術・プロセス技術とそれによってもたらされる超高密度集積回路等について詳細な議論を重ね、将来の高度IT技術を支える高度な応用システムを実現するためにはどのような技術障壁を突破すべきかを、システム・アーキテクチャ・回路設計・デバイス・材料・プロセスの広範囲にわたって研究し,その成果について情報発信を行っています。

本委員会では,年4回の定期研究会,国際シンポジウム,VLSI夏の学校等における活発な活動は上述の通り着実な成果を挙げてきましたが,半導体大規模集積回路は今後もさらなる発展を続けることが確実であり,領域横断的な視点がますます重要になってくると考えられます。すなわち,IT革命の中核となる通信ネットワーク技術、ヒューマンインターフェース技術,モバイルシステム、音声・画像認識システム、センサ/アクチュエータなど,半導体集積回路はますますシステムオリエントになることが強く要請されており,これに応えるためには,アーキテクチャ・アルゴリズム・回路設計・デバイス・材料技術を各領域ごとに個別に最適化するのではなく,領域横断的に捉えて総合的に設計することが必須です。

半導体大規模集積回路技術は,今後も高度IT技術を根底で支える我が国の中核技術として重要な意義をもち続けるでしょう。ますます複雑化する超集積化システム研究者およびデバイス研究者が一堂に会して議論する場を提供し,我が国の半導体産業における国際競争力を維持することが本委員会の役割です。また,半導体大規模集積回路技術を若い世代に継承するため,学界・産業界からは、若手技術者の教育の場を提供することが要請されており,国際シンポジウムやVLSI夏の学校の実行母体としての役割を果たします。本委員会では,学界・産業界からのさらなる大規模集積回路技術発展の期待に応えるべく活動を行なっています。

2. 研究活動

(1) 運営状況

現在は大学官公庁関係の学界委員が28名,企業などの産業界委員が13名の総計41名からなります。構成員の内訳は,半導体デバイス・プロセスの専門家と,半導体回路設計・システムの専門家がそれぞれ約半数ずつです。主な活動は,第一線の研究者による研究会(年4回開催)と国際シンポジウム(毎年1回開催),および若手技術者を対象としたセミナー「VLSI夏の学校」の開催です.運営にあたっては,22名からなる幹事会(運営委員会)を適宜開催し,委員会の企画に関する審議を行っています。

(2) 委員会の活動状況

  • 研究会

    • 毎回具体的なテーマに絞った研究会を年に約4回のペースで開催している.委員会構成員が,デバイス寄りおよび回路寄りの専門家がそれぞれ半数ずつよりなることを考慮して,半導体集積回路を両方の立場から横断的に議論できるようにプログラム構成に工夫をこらしている.単なる技術論だけではなく,ビジネスモデルや国家戦略も議論する場を提供している.

  • 国際シンポジウム

    • 国際シンポジウムも具体的なテーマを設定し,毎年度開催している.講演はすべて招待講演とし,世界から第一線の研究者を招いている.

  • セミナー「VLSI夏の学校」

    • 半導体集積回路設計の基礎をわかりやすく解説するセミナーを毎年夏に開催している.対象は,企業の若手技術者であるが,回路設計を基礎から学べる場として広い年齢層から毎年好評をいただいている.ますます複雑化する半導体大規模集積回路設計に関する教育がきわめて重要であることを表している.