亜接続詞(関係詞など)

# 亜接続詞

亜接続詞は異なる構造を繋ぐ接続詞のことであり、ヘテロタイプの接続詞である。

亜接続詞は、前件の要素、後件の要素、複合体の3つの型がそれぞれ異なることが多い。

主な亜接続詞は次の型がある。一般的に、後件は節か節*である。∅は「無」を意味する。

ここで、「節*」は絶対格項を欠いた節のことである。

後件に完全な節をとる亜接続詞を完全亜接続詞、不完全な(絶対格を欠いた)節をとる亜接続詞を不完全亜接続詞と呼ぶことがある。

## 関係詞・文関係詞・特殊関係詞

関係詞も文関係詞も、後件の節が前件の要素を修飾するのを手伝う接続詞である。

どちらにおいても、先行詞は節における絶対格に相当するのみである。そのため、適宜焦点辞を用いる必要がある。

項-関係節複合体の格辞は関係節の終助詞につける。

関係節の項に対する挙動は、係る項の種類による。

1. 代名詞や数詞といった単独で項になれる語、内容語由来の特定性項辞のついた項(m-, f-, t-) に対して

この場合、関係節は省略しても支障がない。これらは話者に特定的に指示されているため、関係節はあくまで付随的なものである。

このとき、関係節はその話者特定的な項がどんなものを指しているのかを他者にヒント付けるための役割がある。

言い換えれば、これらの項において、関係節は純粋に項辞より後で修飾することになる。完結した項ありきで、関係節がそれに係る。

2. 不特定、総称、唯一性項辞のついた内容語由来の項(l-, gl-, c-)に対して

この場合、関係節を省略すると項の指示するものが変わるため、関係節は制限的に係る。

言い換えれば、項辞の不特定、総称、唯一性というのは、関係節の修飾の後に生じる諸要素である。これは 1. と順序が逆であることに注意されたい。

文関係詞は、先行節の後ろに置き、後件の節によってその文を説明する。文修飾の唯一の方法。

me nil humtu ja tu ni helursu ja. / あなたが私に愛情を抱いている、それは私にとって嬉しいことだ。

過去表現はこの文関係詞を用いて表現できる。

do hugatue fa ja tu huper ja. / これは黒い、その出来事は過去のことである。~ これは黒かった。

oper : 過去のことだ

もっとも、現時点での相を述べるほうがエニシキらしくはある。

do hucesagatue fa ja. / これはもう黒くない。

特殊関係詞は関係節中で付加項のように振る舞うような項を修飾するときに用いる。

特殊関係詞には格投影詞を後置することができる。

fizlor gu bu ni haca ja / 私が泳いだ時のあの夏

文特殊関係詞は特殊関係詞の文バージョンである。たとえば、「~するとき」は "du bu"。

ni hulejdena ja du bu me hulerzop ja. / 君が死ぬとき、私は悲しむ。(私は悲しみ始める、それは君が死ぬときである。)

"du" は汎用的な文特殊関係詞だが、条件的な文特殊関係詞がある:

soz

man

逆接条件

順接条件

1. (現実節を伴って)「~にもかかわらず」 2. (非現実節を伴って) 「たとえ~であっても」

1. (現実節を伴って)「~だから」 2. (非現実節を伴って) 「もし~ならば」

ni hujdena ja man me hurzop ja. 君が死んでいるから、私は悲しんでいる。

ni snujdena ja soz me hurzop ja. 君が死んでいるにもかかわらず、私は悲しんでいない。

ni hujdena fla man me hurzop pa. もし君が死んでいるならば、私は悲しむだろう。

ni snujdena fla soz me hurzop pa. たとえ君が死んでいても、私は悲しまないだろう。

未来表現は man を用いて表現できる。

me hunku mla man ta hufto pa. / それが未来で起こるなら(未来という条件では)、君は気だるくなっているだろう。

onku : 気だるく感じる

ofto : 未来のことだ

## 抽出詞

抽出詞は英語の名詞節の"that"や複合関係代名詞の"what"に近い。

"that" や "what" は節や節*を取り込んで名詞節(項)をつくるが、抽出詞は内容語をつくる。

項辞をつけられるという点では内容語だが、純粋な内容語のように活用はしないので注意。

o は 「[節]ということだ」 という内容語をつくる。実際上は、o に項辞をつけて、英語の名詞節の"that" とほぼ同じ使い方をする。

o は多色語であり、投影によって事象(~という出来事)、命題(~という命題/主張/断言)を区別できる。

ie や ua は後件の節が絶対格を欠いているという点では関係詞とも似ている。

ie は英語の複合関係代名詞 "what" の内容語バージョンに相当する。節* の絶対格に相当するようなものであることを表す内容語をつくる。

ua は項辞 z- でも触れたように、節* の絶対格が満たすような性質であることを表す内容語をつくる。

ie と ua のどちらも、実際は項辞をつけて、項として用いることがほとんどであり、述語として用いることはほぼない。

抽出詞由来の項への格辞は後件の文の終助詞につける