私の研究ではこのゼブラフィッシュに古典的恐怖条件付けをおこないます。
古典的条件付けとは、条件刺激に対して、無条件刺激の対呈示を繰り返すことで、これまでみられなかった条件反応を返すようになる学習です。
この古典的条件付けはさまざまな動物に対して行なわれており、私たちの研究室でもキンギョに対する古典的条件付けの方法を確立して、様々な研究に利用しています。
その取り扱いの容易さから近年広く研究に利用されています。
さらに最近は恐怖や不安に関係した気分障害のモデル動物候補とされるなど、神経や脳を対象とした研究にも利用され始めています。
ゼブラフィッシュは3〜4cm程の小型の熱帯魚です。
実験室で飼育中のゼブラフィッシュたち
また、呼吸や心拍といった生理反応に現れる恐怖を正しく評価するために、魚体に負担をかけない生理反応の計測を目指します。
古典的恐怖条件付けがゼブラフィッシュに適用できれば、ゼブラフィッシュの恐怖に関しての理解が進み、新たな実験手法として利用できます。また、生理反応の計測がこれまでよりも簡便になれば、スクリーニングや毒性試験などへの応用が考えられます。
しかし、ゼブラフィッシュのような小型魚に対する古典的恐怖条件付けはまだ確立されていません。
今回の研究ではゼブラフィッシュにキンギョと同様にライトを条件刺激、電気ショックを無条件刺激として、呼吸や心拍の変化という条件反応を返す古典的条件付けを確立することを目指します。
実験装置一式
ゼブラフィッシュ用に小さく作られています。
(ゼブラフィッシュの位置を絵で示しています)