キンギョは様々な研究に使われている代表的な実験魚である。どれも同じような姿かたちをしているので、1尾ずつ見分けるのは至難の業である。しかし、研究上どうしても個体識別が必要な場合もある。
個体識別は、群れを作っている各個体の成長具合、ある一定の期間を置いて行う必要がある実験などでは必要な手順である。現在多く使われている魚類の個体識別法は魚体を傷つけるものであったり、魚体サイズが制限されたりと不便な点が多くある。そこでキンギョの眼にある特徴的な模様や瞳孔の大きさなどにもとづいて、個体識別が可能かどうかを検討する研究を行なっている。
この方法による個体識別が可能ならば、特別な機器なども必要とせず、他の多くの個体識別法より安価な方法となり得る。そして、誰でも簡単に個体識別が可能になるので、手間と時間を省くことができるのである。
この研究成果は、学術論文として公表されました。
Yoshida, M., Terabayashi, I., Kamei, T., Misawa, A., Yamamoto, M., Umino, T. (2013) Individual identification of goldfish from their eye morphology: the eye-mark method. Zoological Science, 30 (11), 962-966.
眼の撮影風景
(デジタルカメラと赤外線カメラを固定して撮影)
キンギョの眼