ルカ4:1~13
悪魔は、ルカ福音書では、サターナース(試みる者、敵対する者、反対する者)ではなくて、ディアボロス(中傷する者、ざん言する者)が使われている。彼は、キリストを、そしてキリストを信じる者を扇動し、主なる神から遠ざけるように働く。あらゆる機会をとらえて“私とあなた”、“私とイエス(イエスの父)”との間の信頼関係をそこなわせる働きをするのである。
このディアボロスの言葉は、私たちにとって誘惑の言葉ではない。それは、イエスにおいてのみ、拒絶すべき言葉、“イエスと父”の間を離反させる言葉となるのである。
聖書の言葉は、悪魔もイエスも、そしてキリストを信じる者も使っている。問題はその言葉が、相手を、父なる神から、そしてイエスから、キリストの教会から遠ざけるように働くのか否かなのである。
(文・石田 龍三)