マタイ1;18~23
“平和の君”、“神われらと共にいます”と呼ばれたイエスの誕生は、ひとりキリスト信徒だけの喜びであるだけではなく、人類すべての終わりなき喜びへの道程でもある。
この上なく神々しく美しく映るイエス・キリストの誕生も、私たちの日常の営みの外で起こった出来事では決してない。そのゆえに、われわれ多くの者と同じく、つぶさになめた生きるための苦悩と悲しみとが、この家族にあったのである。この家族を越えさせた唯一のものは、「聖霊(生命の息・ルーアッハ)」天の父からの確かな希望である。
貧しさの只中に生きているがゆえに、そしてだからこそ、強情でかたくなな、人生をかたより見ることしかないような私たちは、この一家に近づくことができるのである。心崩おれている者よ、うずくまっている者よ、悲しんでいる者よ、全ての友よ、さあ、ためらわずに、そのままで、イエスのそば近くに行こうではないか!
(文責・石田 龍三)