民数記14:1~10a
意地きたなく、ずる賢いのが“奴隷根性”ではない。奴隷根性とは、自分が奴隷であることさえも思い浮かばず、現状に満足することである。出エジプトの民が約束の地を目指す旅よりも、エジプトに帰ろうとしたこと、あるいは、エジプトが“良かった”とつぶやき続けていることが、奴隷根性なのである。
出エジプトを現実のものとし、イエス・キリストを死者の中から復活させた天の父、主に信頼し希望に突き進むよりも、自分の意志もない、あのエジプトに、そしてイエスなしの日常に戻ろうとする行為こそ、奴隷根性であり不信仰なのである。
「ああ、エジプトの国で死んでいたら良かったのに」、この言葉こそ、私たちに内在する奴隷根性に他ならない。
(文・石田 龍三)