校歌にまつわるエピソード
本校の校歌は、地元出身の著名な詩人であられる、伊藤信吉氏が手掛けた唯一のものです。
昭和52年の開校の翌年、校歌の披露が行われ、以来、元気な子どもたちに歌い継がれて来ました。
平成8年の開校20周年に、伊藤氏が寄せた校歌作詞の思い出の文章が残っています。
この校歌をどんな思いで作ったか・・・
以下に紹介します。
校歌の作詞 伊藤信吉
創立20周年 おめでとうございます。
私が元総社南小学校を訪ねたのは、開校から間もなくで、よく晴れた日でした。
屋上へのぼると「北に南に西に」山並みがみえました。
その眺望をそっくり校歌の歌い出しにしました。
つづけて「利根川のはやい流れの瀬音なつかし」としたのは、この秋、満90歳になる私の耳に、今も昔の瀬音がのこっているからです。
それと同時に、流れの姿、形は変わっても、南小学校が利根川に近い位置にあることを言いたかったからです。
小学校へあがって、クラスのみんなで一緒にうたう校歌。
全校生徒がそろってうたう校歌。
折にふれて、ひとり口ずさむことのある校歌。
ところが、私が小学生の時は、校歌がありませんでした。
それだけに私は、茂木五郎さん作曲の校歌を講堂ではじめて全校生徒がうたったとき、自分が遠い昔の日にかえったような気持ちになりました。
皆でうたう校歌のたのしさを知りました。
20年という年月は、思いようによってはずいぶん永く、逆に短いようでもあります。
そしてずっと以前は稲田だった稲葉地区が、戦後しだいに市街化し、南小学校々舎が建ったように、開校後の20年間にもいろいろと変化があったわけです。
環境の変化、風俗の変化、時代の変化。
けれども、小学校が勉強の場であることに変化はありません。
これまでの20年、これからの20年、30年を、みんなが「ここに学び舎、ぼくたち、わたしたち、集いて育つ、元総社南小学校」とうたうその歌声・・・・