これから「IoTブレスレット」の設計に入ります。
と、その前にもう一つ必要なモノがあります。
それは「測定器」です。
「IoTブレスレット」が正常に動作しているか、問題が無いか、電池を出来るだけ長く持たせるにはどうしたらよいのか?
これらの問題を解決することが出来るかどうか。
「測定器」を使用することにより、考えた通り回路やソフトが動いているか確かめることが出来ます。
ブレスレットの消費電力を測定することもできます。
・・・
今回同時に設計を進める測定器はマイコンを使用したものと致します。
マイコンには様々な機能があります。
では早速、これらの豊富な機能を活用しながら「IoTブレスレット」及び「測定器」を作成して見ましょう!
・・・
最初に「IoTブレスレット」「測定器」を設計するわけですが、、、
何を測定するのか、何を作るのか、キチンと決める必要があります。
この要件を決め書類として残したものを「要件定義書」と呼ぶことがあります。
まず、ザックリ考えてみましょう。
最初はA4用紙一枚に記述するだけで問題ありません。
・・・
「IoTブレスレット」は電池で動きます。
では、これを測定するにはどうしたらよいでしょうか?
「電池」で動くということは電池を消費するわけです。
正確には、電池が持つ電力量を消費する。
「IoTブレスレット」自体がどれくらいの電力を消費するのか、実際に知りたい。
・・・
どうやったら、電力を測定できると思いますか?
中学校で習ったでしょうか? 「電力=電圧×電流」だったかな?
ということは、、、
まず「電圧」と「電流」を測定したい!
電圧をマイコンで取得するにはどうしたらいい?
そうです。ADコンバータを使用すればいいんです。
・・・
では、電流を測定するにはどうしたらいい?
実はこれは大問題です。
答えを言ってしまえば「IoTブレスレット」と「電池」の間に「抵抗」を入れます。
この「抵抗」の両端の「電圧」を測定する。
すると「電圧=電流×抵抗」なので、式を変形して「電流=電圧÷抵抗」と言う式が出てまいります。
ここで、大問題が起きるんです!
「ブレスレット」と「電池」の間に抵抗を入れるのです。
この抵抗のことを「シャント抵抗」と呼ぶことがあります。
で、この「シャント抵抗」があるために、ブレスレットに入力される電圧が下がってしまうんです!!
だって「シャント抵抗×電流」の電圧が、電池自体の電圧から引かれてしまうためです。
沢山電流が流れれば流れるほど、電池からその分の電圧が引かれてしまいます。
抵抗を入れたため、正確な測定が出来ない!!
何故なら、実際はこの「シャント抵抗」、、、無いわけですから。。。
測定の時だけ「シャント抵抗」を入れて電流を測定するわけです。
何のための測定か分からなくなってしまいます!
実は、シャント抵抗を入れる方法ではない他の方法もあります。
でも、その方法を行うためには結構費用が掛かってしまうのです。
安価にするためには、一個数円の抵抗を使う方法が一番なんです!!
どうしたら良いと思われますか?
う~~~ん、これはですね。。。
思いっきり「小さな値の抵抗」を入れるしか方法がなさそうです。
抵抗の大きさを表す単位は「オーム」(記号でΩ)です。
このオーム数をメチャ小さくする。
でも、今度は小さくすると、、、
抵抗間の電圧もメチャ小さくなる。。。
だから、助かるわけですが。。。今度は電圧が小さすぎて測定が困難になる!!
さあ、この大問題を解決する方法は?
ChatGPTに聞いてみましょう。
「差動増幅器」と言う新しい言葉が出てまいりました。
おやっ、2番目に何やら聞いたことがあるような言葉が、、、
「インスツルメンテーション・アンプ」???
コレでしょうか?
実は、「メチャ超小さな電圧を測定する」と言うことは、、、「生体信号を取得する方法」と同じと考えることが出来ます。
「心電図」や「筋電」と言った信号です。
これらは、超メチャ小さな電圧信号です。
今回は、この「インスツルメンテーションアンプ」と「シャント抵抗」を使用し、「IoTブレスレット」の消費電力を測定してみましょう!
・・・
「IoTブレスレット」には様々な機能を搭載させる予定です。
このため、これら機能が上手く動作しているか確認するための測定項目も多くなります。
しかし、測定器の予算は限られる。。。
あるモノで測定するしかない。しかも正確に!!
ここに工夫が思いっきり必要となるのです。
このために測定器を作成するということは「技術を飛躍的に向上させることができる」わけです!!
明日の続く!