修了生より
修了生より
美術館でまなぶこと
小林古径記念美術館 学芸員 伊藤 舞実
大学院時代、美術館と大学の協働を研究テーマとした私は、美術コースの五十嵐ゼミの仲間と一緒に学校に小学生を集め、美術館学芸員と一緒に鑑賞活動や工作活動を楽しむ「ヨリ・ミチ図工室」を実践しました。実践を通して、美術館の持っている鑑賞ツールを用いた鑑賞体験から、実技へとつながる体験講座はより深い鑑賞につながるという発見ができました。また、仲間と共に活動案を考え、工作の材料を準備し、活動後には改善点を出し合う時間を持つことができたほか、小学生の豊かな発想や物怖じしない言動、継続して関わることで見える個々の成長を実感できたことは、私にとってかけがえのない財産となりました。
今は学校の教員としてではなく、美術館の学芸員として、展覧会の企画はもちろん、学校団体の受け入れや、来館するすべての人に楽しい美術館体験を提供できるよう、日々頑張っています。
学校の先生たちには、ご自身の専門分野にかかわらず、地元の美術館や博物館に子どもたちと共に訪れてほしいと思います。自分の目でみて何かを感じること、例えばそれが「きれい」「きれいじゃない」「わからない」「ふしぎ」など、どういった感情であれ、それは必ず子どもたちの心の栄養となるはずです。先生たちが考えている以上に、美術館は子どもたちにとって豊かな学びの場となるはずです。ぜひ気軽に美術館を訪れてみてください。