本校では、数学を愛する中高生が世代を超えて交流し、学び合う場を創出することを目的に、令和7年12月7日(日)、琉球大学にて「第1回数学生徒交流会(マスコネクト)」を開催しました。琉球大学との共同企画であり、県内7校から中学生・高校生、そして教員が集い、数学の魅力を存分に味わう一日となりました。
幾何群論の専門家である琉球大学・加藤本子准教授を講師に迎え、「ツリー算」と題した講義が行われました。クリスマスツリーを模した図形の足し算を定義するユニークな試みから始まり、その背後にあるトンプソン群や未解決問題へと話題が広がりました。加藤先生は「目標は高く、フィールズ賞受賞者を目指してほしい」「数学の世界は広いから、仲間とチームで挑戦してほしい」と熱いメッセージを参加者に投げかけ、会場は大いに刺激を受けました。
続く第2部では、高校生を中心に「未解決問題チャレンジ」が行われました。加藤先生が提示した問題に加え、ファイトートンプソン予想、オイラーの完全直方体、コラッツ予想、藤村の三角形問題といった世界的に有名な難問が紹介されました。中学生と高校生が入り混じり、同じテーマに向かって議論を交わす姿は、まさに「数学好きが集まる場」の象徴でした。後半には、自分の興味ある分野を共有し合う時間となり、互いの知的好奇心を刺激し合う貴重な交流の場となりました。
アンケートからは「同世代と同じ問題を議論できて楽しかった」「数学の深い内容に触れられて良かった」といった感想が寄せられ、参加者が大いに楽しみ、学びを深めた様子がうかがえました。「マスコネクト」は、数学を通じて世代や学校の垣根を越え、未来の研究者や探究者を育む新しい交流の場として実施しました。今回の第1回開催を契機に、今後も中高生が互いに刺激し合い、数学の可能性を広げていく活動の場を作っていく予定です。