本校の1年生5名、2年生5名、引率教諭4名、OISTのリサーチャー1名の計15名で、タイに出発しました。
タイスワンナプーム国際空港では熱烈な歓迎を受け、その後、Welcomeディナーで親睦を深めました。
明日からのアリ調査に備え、今日は疲れを癒します。
オンカラック附属高校(ODS)にてオープニングセレモニーが行われました。近代版伝統舞踊、そして、タイの生徒が行なっているアリの研究発表が行われ、文化と学術の交流をすることができました。
その後、本校生徒とODS生徒が合同で、ODSキャンパス内の3地点でアリの採集を行いました。
昼食後、シーナカリンウィロート大学キャンパス内でも3地点で調査を行いました。採集中には、OISTの水野理央博士および諏訪部真友子博士より、採集方法の精度向上や同定の視点について助言を受け、科学的観察力を高める実践的学習となりました。
午前中は、タイ自然史博物館研究員でタイのアリ分類の第一人者のWeeyawat博士による講義を受け、タイにおけるアリ相の多様性、生態的特徴、および標本作成法について体系的に学びました。そして、タイのアリの同定作業を行いました。
午後は、バンコク市街地にあるVachirabenjata公園内の2地点でアリを採集し、都市環境における林内の種構成を観察しました。
本日はカセサート大学・林学部付属演習林に移動し、OISTの水野理央博士の指導のもと、森林環境におけるアリ群集構成を調査しました。日本では見られないアリがたくさん見ることができ、種多様性の豊かさを体感することができました。
夕方から夜にかけてはアリや昆虫の行動観察を実施し、採集個体の採餌・防衛・巣作り行動を観察しました。
また、実体顕微鏡を用いて、採集されたノコギリハリアリやハナナガアリなどの形態的特徴や行動を観察し、分類学や行動生態学的理解を深めました。
夜間には昆虫観察も行い、雨緑樹林の雨季における節足動物の多様性について理解を深めた。
オンカラック附属高校の理科室に戻り、これまでに採集した標本の整理および同定作業を行いました。地域ごとの種構成の違いを比較し、自然林・都市・大学キャンパスといった異なる環境条件がアリの分布に及ぼす影響について議論しました。
いよいよ本日が帰国の日。ODSからスワンナプーム国際空港へ移動し、台北桃園国際空港を経由して、なんとか全員無事に那覇空港に帰着することができました。
今回の調査で得られたデータをもとに、今後は沖縄との比較分析を行い、地域間の環境指標種の違いを明らかにしていく予定です。
とても充実した研修でした。ODSの生徒のみなさん、IMをはじめ教員の皆さま、Weeyawat博士、そして、OISTの水野博士と諏訪部博士には、大変お世話になりました。感謝いたします。