アドバイス
アドバイス
時野谷 浩教授プロフィール
東海大学文学部広報学科を卒業後、助手、講師、助教授を経て、同学部同学科広報メディア課程に就任。ぞのかたわらで、日本マスコミュニケーション学会理事を務める。米国スタンフォード大学、ミシガン大学に留学の経験あり。
趣味はパソコンによる情報管理と海外との文化交流。
東海大学四次元ポケット
Q(在校生からの問い)私は将来放送関係の仕事に就きたいと思っています。そのためにはどの学部に行ってどんな勉強をしたら良いのでしょうか? また放送関係の仕事というとテレビ、ラジオの音声、放送作家などを思い浮かべますが、他にどのようなものがあるのでしょうか?
A 一口に放送関係の仕事といっても、職種は多岐にわたり、仕事の内容も大きく違います。たとえば放送局の募集は一般職(経理・総務・営業)技術職、アナウンサーに分けて採用されます。一般職の場合、一定の期間を経て番組制作、報道部などへ転部され、この中からディレクターやプロテューサーが誕生するわけです。中には例外的に最初から番組制作、報道部へ行く人もいます。技術職は音声、ミキサー、照明などを担当します。女子学生に人気の高いアナウンサーは、音声試験など特別な試験を行いますが、その倍率は非常に高く入社は非常に厳しいものです。最近は照明や制作など、外注に依頼するケースもふえてきました。もちろん田村さんが指摘した放送作家も、大切な役割を占めています。
放送の仕事に就く場合、基本的には学部、学科の種類は問いません。強いていうならば、局によっても違いますが、制作現場は文学部、報道は政経・法律・社会学部、技術系は理系というのが一般的なようです。事務職は学部を問わず、就職してから各自の得意分野によって、配属されます。入社試験は志願書に志望動機などを書いて提出し、これで選考された人が筆記試験を受け、さらにこの試験を通過した人か面接試験に挑みます。放送局では面接が特に重要視され、放送で働く者としての人間力、洞察力が問われます。自分の人生をニュースにたとえるならば、面接は『見出し』になぞられることができましょう。短い空間で中味を表現し、相手に認めてもらうことが大切だからです。
ですから放送局に入るためには、ひとつの事に偏らず、まんべんなく知識を積むことが肝心です。科目でいうと社会・英語・日本語が要チェックです。英語は高校時代代に培った基礎学力に加え、日常会話くらいは交わせる語学力が必要です。国語は特に重要で、基本的な学力を基礎に、論文を通じて出題に対する論旨、表現力、テーマにアアセスする洞察力、思考力が測られます。高校時代には、学校での勉強をしっかりとこなし、さらに新聞の「天声人語」を始めとするコラム、その他の紙面を良く読み、日頃から一般常識や読解力を身につけておくことてす。もちろん読書も大切です。
先ほど大学での学部、学科は問わないと述べましたが、成績は大切な選考要素です。また何を学ぶにしろ、選考の過程で、専門科目はその学生の特色となります。
一番大切なのは学生生活で何を行ってきたかという、その内容です。テーマは読書でも、映画でも、インターネットでもかまいませんが、大学四年間でどれだけ努力したかが問われます。単に海外旅行やサークルに興じるだけでは問題になりません。他の学生に負けない、自分だけの得意分野を持つことか絶対必要で、これがないと入社試験には合格しません。
○○さんも高校・大学時代を通じていろいろなことに努力し、自分の人生を磨き上げて念願の仕事に就いて下さい。