マングローブ林について、本当の意味で知っている人はどのくらいいるのだろうか。多くの人はマングローブ林について、詳しくは知らないだろう。私も見たことない人よりは、知っているだろうが、まだまだ詳しいとは言えない。 非営利活動法人 国際マングローブ生態系協会 (以下、ISME〔1〕)によると、「マングローブとは熱帯、亜熱帯の河口など、潮の満ち干の影響を受ける場所、つまり潮間帯・感潮域に生息する植物の総称」とされている。そして、多くの人がマングローブという名前を聞くのは環境問題のひとつとしてマングローブ林の伐採が問題とされているからである。本論文では、マングローブについて、およびマングローブ林の果たしてきた役割、マングローブ林の直面している課題について述べていく。
また、私は2019年の夏にフィリピン・ネグロス島にあるNPO団体であるイカオ・アコ〔2〕での約一か月間のマングローブ植樹体験などの活動を通してマングローブ林を植樹するだけではなく、そのマングローブ林を長期的に維持・管理することの大切さを感じることができた。そのため、マングローブ林の保護活動、マングローブ林の維持・管理をするにあたり、マングローブ林に対する愛着や自分たちの管理すべき共同資源だ(自分たちのコモンズである)という意識が大切なのではないかと考えた。そのため、実際にイカオ・アコの植林地のひとつであるバラリン村でのイベントがその意識を生み出すのに寄与しているのではないかと考えて、マングローブ林でのイベントを行うことの意義を考察した。
(注)
〔1〕 マングローブに関する国際的 NGO/NPO である「特定非営利活動法人 国際マングローブ生態系協会 Interenational Society for Mangrove Ecosystems 」による定義。
〔2〕 イカオ・アコ 現地の言語であるイロンゴ語であなたと私の意味 は、日本人とフィリピン人が手を取り合って、持続可能な社会を創ることを目指し、植林などの活動をしている NPO 団体。