退役したAtermモデム&PHS携帯電話機の有効利用
退役したAtermモデム&PHS携帯電話機の有効利用
最近は,一般の家庭にも高速無線LAN(メガbps単位)が普及し,動画等もスムースに見ることができるようになった.そのようなIT発達の陰で, 短期間で使用できなくなった通信機器類(モデム,ハブ等)がジャンク箱内に眠っている.何時か「何か」に使えるだろうと思って,捨てずに持っていても,「何か」が思い付かず無駄であることがほとんどである.
私は,CATVインターネット(2000年)を利用する前は,電話回線を使って大学の計算用サーバーと接続してジョブの入出力を行っていた(1200bps程度の速度).一刻も早く結果を知って,夜のうちに次のジョブを投入したいという貧乏性のためである.
アナログ電話回線を利用した無線によるインターネット利用(2000年以前)
その時に使用していた周辺機器類は,通信技術の革新によって,あっという間に無用の長物と化してしまった.その中の一つである電話回線用ワイヤレスモデムを利用して,同じく退役したPHS携帯電話機を家庭内電話の子機にしたので紹介したい.
AtermWM56はアナログ回線用の無線モデムである.パソコンにワイヤレス子機をつなげば56K通信ができるが,無線ブロードバンドルーターの登場でまったく使用しなくなった.完全に使用できる機器なので,他の用途はないかと説明書を読みなおしてみるとPHSに繋がることが分かった.早速接続テストを行ってみた. テストしたPHS(AJ-33)は,アステルが九州から撤退したため使えなくなったものである.
設定法はメーカーサイトにはすでに存在しない.どうにかマニュアル類を探し出して,精査するとマニュアルの外に販売店様用という冊子体があり「増設登録操作説明書」と書いてあった.家電品にはマニュアルの外にアフターサービス拠点一覧等が付属してくるので,その程度のものと思い込み内容を確認せず無視していた.冊子には,具体的な設定法が記載されていた(設定はユーザーがするものではなく販売店が責任を持つことになっている)
記載されている手順(本体背面のスイッチを使って簡易登録)にしたがって設定するとあっさり繋がった(参考資料).
不要機器を組み合わせてPHS携帯電話を室内子機として再利用
無線子機付きのFAX電話がすでにあるので今回のシステムを追加する必要はないが,とりあえず書斎用に置いておくことにし た.家の中は下記に示す無線が飛び交っている.さらに,向かい側の郵便局にはFONのアクセスポイント,両隣家の無線LANの信号も検知できる.身体もた くさんの電波を吸収して食傷気味だろう.影響を指摘する人もいる.
ケーブルインターネット
パソコン用無線ルーター 2台
無線ネットワークカメラ
電話&FAX
専用子機2台
テレビインターフォン
子機1台
BGM用トランスミッター(カーラジオ用を流用)
ネットを調べるてみたところ,同様の報告があった(資料1).
資料
2)AtermWM56 (PC-WM56A11)の説明文書
Atermと言えばTAという感の強かった頃に、ラインアップに登場した、アナログ回線用モデム AtermWM56です。AtermWM56は、家庭のアナログ回線とパソコンなどを、配線ナシ!でむすぶワイヤレス・センターステーション(親機)。 RS20、RC25、RC35、RC45 といったワイヤレス子機をを収容すれば、面倒な配線なしで家中どこからでも、最高56kbps通信の快適インターネットが楽しめ、さらに登録した子機間で データ通信もできるなど、単なるモデムを超えた機能を持っていました。
■希望小売価格:34,440円(本体価格32,800円)
■発売日:1999/10/7
追記 大震災でPHSの存在が見直されている.アンテナが分散できて飽和することが少ないらしい.
(2013.8.14)