絵はがきと切手(光村 ほか) 2025年11月25日
絵はがきと切手(光村 ほか) 2025年11月25日
1980年(昭和55年)に文部省が発行した「小学校道徳の指導資料とその利用3(中学年)」に収録されて以来、現在でも6社の教科書に掲載されている定番教材です。「現代の子どもはハガキを出さない」「切手や郵便料金(定形外郵便)についての理解がないのでは」など、時代と合わなくなったという意見も聞かれますが、この作品は「どうすることが友達のためになるか」という普遍的なテーマについて考えられる優れた教材です。そしてまた、多様な授業展開ができるという点でも、授業者にとって魅力的な教材だと思います。(「道徳教育」(明治図書)2020年1月号に特集が組まれています)
ねらいをどこに置くか
この教材では、よく次の3つのパターンを見かけます。(①~③を組み合わせることもあります)
①手紙を書いたひろ子の心情を中心に扱うパターン
発問例・・・「ひろ子はどうして料金が不足していたことを書き足してあげようと思ったのでしょう」
「ひろ子は、正子が何を分かってくれると思ったのか」
②ひろ子の葛藤を中心に扱うパターン
発問例・・・「あなたがひろ子なら、料金不足を伝える(兄の意見)かお礼だけ言う(母の意見)か」
「あなたが正子なら、料金不足を伝えてほしいかお礼だけ言ってほしいか」
③ひろ子になったつもりで手紙を書くパターン
発問例・・・「ひろ子になったつもりで正子に手紙を書いてみましょう」
「正子になったつもりで手紙を受け取ってみましょう(どんな気持ちになりましたか)」
これらはそれぞれによさがあり、授業のねらいによってどれを使うか決めるとよいでしょう。また、パターン1つとってもICTを使うか、心情円盤を使うか、ネームカードを使うか等、様々な方法が考えられますし、ここに挙げたもの以外にもまだまだたくさんあると思います。
ただ、ここで1つ重要なことは、「友だちのためには、時には言いにくいことを言ってあげるのが友情だ」という表面的な理解で終わらないことです。ましてや「忠告できるのが友達」などという結論で終わってしまうと、「授業と実生活は違う」と子どもたちは思ってしまうかもしれません。そうならないためにも、「どうすれば相手に自分の思いを伝えられるか」考えることが大切です。そしてそれには「実際に手紙を書いてみる」そしてそれを「実際に受け取ってみる」という体験的な学習が有効だと思います。ただ単によりよい伝え方を体験するアサーション活動を行うのではなく、体験を通してひろ子の思いを改めて考えたり、価値を実生活で実現させる難しさを感じたりすることが目的です。実際に私が4年生でこの活動を行った記録は以下を参照ください。