再複製されし矛盾空間

前編

 双対の世界のファントムと戦う中、

勇者は新たな力を手にする。


 勇者は赤き風を纏い、

剣を振るえば、黒き深淵が生まれ、

杖を握れば、白き円が生まれる。


 対する■■は黒き風を纏い、

星を砕き、亡霊の力を纏い、

星海に"真の真空"を生みだす。


 「所詮、織手でもこの程度か」


 "メイジ"は"マスター"と交戦する、

メイジが使用する魔法は、宇宙の境界にヒビを作る。


 「マスターともあろう者がこの程度か?」


 「我が魔法の意味を教えてやろう」


 「いや、その必要は無い」


 トニトルスは白き風を纏い、

メイジが詠唱する魔法を失効<ディスペル>する。


 「絶対失効<ファイナルディスペル>」


 「甘いな」


 一方、双対の世界の"帝王"は、

綾織の宇宙を自らの物とするための最後の一手を打つ。

後編

 私は?

私は何者だ?

過去の事を覚えてはいない。


 私がたどり着いた世界は、

花々が咲き、微かな魔力を放つ植物に覆われた星。


 魔物が出現する。

一体、どうすれば?


 魔物が攻撃を試みると、

私は無意識のうちに花を咲かせた。


 この力は...

その時、微かな記憶が蘇る感覚があったがやはり思い出せない。


 「迷える旅人よ」


 「私と一戦交えないか」


 「やめておくよ、私が何者で何故ここにいるのか思い出せないのだ」


 「ならば、"私たちは戦う運命にある"」


 謎の人物はマスター形態になり、

リシュに戦意カウントを付与する。


 私が花を咲かせると、

その者は花の名前を言った。


 「それは影域花、幽字の圏に咲く花だ」


 「それは幽六花、時の流れを断ち切る花だ」


 「律動を刻み、旋律を奏でよう」


 「<奏者>の力こそ、"亡霊"に勝利するカギなのだ」