双対の世界

序章

 フィロソフィーの園庭にて、

管理者会議が開かれた。


 「ここは双対の世界」


 「7つの因子をこちら側の世界に送り込み」


 「この世界の公理を手にするのだ」


 双対の世界は、

物質を持たない世界だ。

双対の世界には情報のみがあり、

双対の世界に生きる者は心だけで行動している。


 双対の世界もこの世界も、

複合次元の中の1つの世界に過ぎない。


 ボイドに感染し、不織の都にたどり着いたティエラだが、

ティエラの本来の心はボイドを拒み、ティエラは肉体を取り戻す。


 そしてボイドに囚われた人格は、

"ダークティエラ"となり、独自に肉体を形成した。


 同時に、

"ダークトニトルス"という存在も観測された。


 オスクリダドの魂は、

かつての不織の都での出来事を思い出す。


 不織の都には双対の世界から訪れる、

ファントムという存在が混乱をもたらした。


 オスクリダドは杼を手にし、

魔法を織る力さえも手に入れた。


 ファントムは次元の持ち上げによって、

不織の世界と双対の世界が同じ複合次元に存在するようになった結果、

不織の世界を襲ったのだ。


 やがてファントムによって破壊された不織の都から、

オスクリダドはもう一つの隣接する世界である綾織の世界に向かった。

第Ⅰ話

 綾織の世界にはその時、

レヴァリエ空間が存在しなかった、

まだ織手でもなかったオスクリダドは、

魔法を使わずに生活していた。


 そのオスクリダドがたどり着いた星は、

後に凪の星を作る凪の民が暮らす星だった。

しかし、これは偶然ではない。


 オスクリダドはコールドスリープによって眠りにつき、

最初のレヴァリエ空間が完成した時、

その世界でウィザードとしてオスクリダドは暮らす。


 しかし、そのレヴァリエ空間を創造したのは、

他でもない、双対の世界の者だった。


 私は、

その世界の公理も理解し、

その世界でかつての仲間であるアポリアに出会う。


 私たちは再開した、

そしてその出来事が私を織手へと至る力を齎した。

この時の私は覚醒によってこの状態に至る以外方法はなかった。

第Ⅱ話

 覚醒は一時的に、

より高度な魔術を使用できる状態に入る。


 ウィザードはソーサラーとなり、

ソーサラーは織手となる。


 また織手が覚醒すると、

真の織手となり、異なる複合次元や公理が異なる世界を移動できるようになる。


 またこのころ、

かつてのリンも織手となり、

この綾織の世界に霏々という幻想を織る。


 「オスクリダド、"あなた"はうそをついた」


 「彼はびっくりしちゃうと思うけど」


 「この事は"あらかじめ伝えておいた"」


 反魂の力は、

文字通り、離れた魂を再び肉体に宿す力だ。


 生命が死を迎えた時、

その魂は幽世にたどり着く。


 魂は時間とともに消耗し、

やがて完全にその存在は消滅する。


 しかし強固な魂は、

長い時間がたっても消えることなく幽世を彷徨う。


 時に肉体を持たない魂が、

現世にたどり着き"ゴースト"という存在となる場合もある。


 魂を失う事は完全なる死を意味する。

場合によっては、他の世界にたどり着き"転生"する場合もある。

第Ⅲ話

 "メイジ"によって次元の持ち上げは作用され、

綾織の宇宙は、絡み織の宇宙と繋がる。


 リシュはボイドの憑依の影響で記憶を失う。

リシュは扉を通り、絡み織の宇宙にたどり着く。


 「シエル、君にこの力を託す」


 王の継承武器は本来一つしか継承できない、

しかし、織手の権能ならば"分与"または"共有"が可能だ。


 分与された王の継承武器は、

同一宇宙内で複数創造可能で、

共有された王の継承武器は、

同時に一つまで創造できる。


 ティエラは王の継承武器たる、

星筆、虹筆、時筆をシエルに分与した。


 Ⅱ番目の旅を終えた、アヤメは、

フレキシブルウェアを着用する。


 かつての火、氷、水、草、雷、土、光、闇の王は、

結び目の城郭の代数の律動に集う。


 「ついに、凪の約束と獣の約束は果たされ」


 「兎は飛び立った」


 「残す試練は双対たるティエラ」


 "マスター"の権能を以って、

隣接する宇宙に"凪"と"獣"を1ポイント付与する。