鈴木南都

Be a prider


9×16 紙、ペン、動画編集ソフト

今回の作品は、2年間在籍したゼミでの最後の作品となるので、集大成となるものを制作したいと思い着手した。

作品の中には、パラパラ漫画アニメーションや、詩を入れる。

私が大切にしたいのは、メッセージ性だ。これから社会人になる自分に、そして見てくれている人のこれからの人生に少しでも勇気を届けられる作品になればうれしい。

Prider という言葉は、いい時も悪い時も自分の気持ちに正直に、そういう意味でプライドと誇りをもって生きる人のことでである。

Be a prider

9×16, papers, pens, application of movie director

This animation is my last work in Inagaki seminar, so I wanted to made a culmination.

This work includes ""parapara animation"" and lirics. The most important thing what I think is the message of the animation. It is for me who graduate Hosei university, and for people who watch my work. I will be happy if this work give people a little bit courage. The word, “prider”, means people who have pride of their feeling and idea whenever they live and don’t lie themselves. "

活動の記録

卒業研究 - 鈴木南都

法政大学 国際文化学部4年 

鈴木南都

表象文化演習 コミュニケーションとアート


卒業研究レポート


 表象文化演習(コミュニケーションとアート)の授業(以下、稲垣ゼミ)を昨年度から2年間にわたり受講してきたが、この稲垣ゼミでの活動での作品制作をとおして、自己表現、そして価値観の多様性を学ぶことができた。今回は、卒業研究レポートとして、大学3年生の春学期から受講してきた稲垣ゼミでの活動内容を振り返る。本論では、昨年度の春学期の授業から、今学期の授業までのなかで印象的だったものを取り上げ、それぞれ①活動の概要②活動のエピソード・感想の2つ観点で振り返り、また、個人研究については①作品の概要②先行研究③学びと感想の3つの観点で振り返る。


【2020/5/6】コンテンポラリーダンス Clapping Music

①活動の概要

 2人ペアになり、それぞれの人が同時に拍手で異なったリズムを刻み一つの作品を作った。私は、三輪さんとペアを組んだ。授業で見ていた作品は、二人が同じ場所で同時に拍手でリズムを刻んでいたが、私たちは、新型コロナウイルスの影響で直接合うことができなかったので、それぞれ自宅で撮影し、動画の編集アプリで同時に演奏しているような空間を作り、作品とした。


②活動のエピソード・感動

 この作品は、私がこのゼミで作った初めての作品だったので、よく覚えている。同じ国際文化学部に所属する同学年の学生でも知っている人がほとんどいなくて、戸惑っていたが、この作品を通して三輪さんとはすぐに話せるようになった。オンラインだとしても、このように人と関わる機会があるだけで孤独を感じないということを実感した。また、ゼミに入るまでは『アート』という言葉は敷居が高いものだと思っていたが、試行錯誤の末に作品を作ることができ、ゼミで活動することについて希望が見えた。

【2020/5/13】パフォーマンスアート Rosas


①活動の概要

 ゼミ内で4~5人のグループを作り、ダンスをした。このダンスは椅子に座ったまま音に合わせて上半身を動かすものである。それぞれのパフォーマーは少しずつ踊り方がずれていたり、女性らしい動きが印象的なダンスだった。


②活動のエピソード・感想

 以前より、日本のダンス&ボーカルのユニットであるGENERATIONS from EXILE TRIBEのファンであったため、ダンスを鑑賞する機会は多かったが、自身がダンスをするのは高校時代の文化祭以来で苦手意識があった。このパフォーマンスアートを自宅で撮影するにあたり、何度も動画を見て覚えた。長時間かけて撮影したこともあり達成感が得られた。


【2020/6/3】ビデオアート3 ビデオアートワークショップ

①活動の概要

 3.4人のチームに分かれて、それぞれのチーム内で共通の任意の英単語1つにたいする行動を動画に納める。私の班はseekという英単語が割り当てられ、それぞれ何かを探す動画を撮影した。


②活動のエピソード・感想

 seekは日本語で探すという意味だったので、私は四葉のクローバーを探すことにした。ちょうどその時期、所属しているラクロス部の練習場所に四葉のクローバーが大量発生していたこともあり、四葉を探すことがマイブームとなっていた。撮影場所は近所の原っぱで、小学生の時に四葉のクローバーをよく見つけていた場所であった。当日は、天候が悪く、傘をさしながらの撮影となった。一時間近く探したが、四葉のクローバーは一つも見つからず、そのまま提出した。同じ班員の外谷さんは、お菓子のおっとっとのレアキャラクターを探すために何袋もおっとっとを購入していた。着眼点が興味深かった。


【2020//7/22】 春学期個人研究の講評

①活動の概要

 ゼミ生の春学期の個人研究を発表し、それに対する感想やフィードバックをお互いに発言し意見交換をした。


②活動のエピソード・感想

 ゼミ生の作品を鑑賞したり、その説明を聞いたりする中で、それぞれの個人がもつ感性や価値観の多様性を感じられた。4年生の先輩方は、稲垣先生から「去年は、こんな作品を作っていてそれも素敵だったけど、さらに技量が上がっている」というようなコメントをたくさんもらっていて、「このゼミであと1年自分も在籍したらもっといい作品が作れるようになるのかな」とポジティブな気持ちになった。後で詳しく記述するが、私は『DREAMERS』という自分へ向けてのモチベーションPVを作った。所属しているラクロス部で自身がぶちあたった壁と、仲間の大切さを一つのPVに落とし込んだ。この作品は、その後、毎日部活動の朝練にいく電車の中で見て、「よし、今日もがんばるぞ」と気合を入れるために見ていた。自分の中でとても大切な作品となった。しかし、発表をするにあたり、「この作品は独りよがりなもので、見る人はどんな気持ちになるんだろう」と心配な気持ちもあったが、「勇気をもらえた」という声を聞いて安心した。


【2021/9/29,10/6,10/13.10/20】 スタニフラフスキーシステム ワークショップ1

①活動の概要

 3~4人のグループになり、スタニフスキーシステムのワークショップをした。メンバーは私以外に鈴木都久美さんと竹島さんがいた。まず初めに、場面設定や人物、大まかな話の流れを考え、クラスに向けて発表。その後、再度ブレイクアウトルームにもどり、実際に演技をした。そしてそれをクラスに向けて発表したのち、脚本を完成させるという流れで行った。


②活動のエピソード・感想

 私たちの班は、新型コロナウイルスの影響が弱まった未来を時代をばめんとして設定し、私と都久美さんはインドに観光に行き、さまざまなハプニングに巻き込まれる。二人とも少し抜けていて財布をすられてしまったり、お金が払えなかったりと絶体絶命のピンチになることが多い。しかし、いつもそこには日本人でインドに在住している竹島さんがいて助けてくれるというようなストーリーだ。稲垣先生もおっしゃっていたが、このストーリーはフィクション感が強くなっているが、人物像などは現実の世界の私たちとリンクする部分も多い。だからこそ、大まかのストーリーを決めると演技がしやすかった。


【2021/11/10,11/17,11/24】スタニフスキーシステム ワークショップ②

①活動の概要

 前4回の授業内で作成した原稿を用いて、作品を作る。私たちのチームは、Youtubeでよくみる『ラジオ文字起こし』のようなかたちで作品を作った。すべての原稿の会話をAIに音読してもらい、話し手ごとに字幕の文字色のみを変更した作品とした。


②活動のエピソード・感想

 作品を作るにあたり、AIの声質にこだわった。流ちょうなアナウンサーのような声質のAIもいたが、より機会味のある声を探した。また、登場人物が3人いるので、声を3通り用意するか迷ったが、あえて1つの声で3役演じてもらうことにした。文字色のみで人物を分けたので、始めてみる人にはわかりにくくなってしまったかもしれないが、その分考えながら見てもらえるように心がけた。ラジオの文字お越しは、Youtubeなどで良く拝見していて、簡単に作ることがd系ると思っていたが、実際にやってみると骨の折れる作業だった。音を少しずつ止めながら写真を並べていかなくてはならないからだ。完成品を見ると、まとまりがあり、シュールさが面白かった。特に私が好きなシーンは、カレー屋さんのシーンで、鈴木南都が100辛のカレーに挑戦し、辛くて「辛い、辛い」を連呼する場面だ。ストーリーとしても好きな場面だったが、AIの声でその場面を演じると、よりシュールで、「本当に辛い物を食べたら人間はこのくらい感情を失うのかもしれない」とも感じた。


【2020年度春学期個人研究について】 DREAMERS

①作品の概要

 自分に向けたモチベーションPVを作成した。当時所属していたラクロス部で自分のかなえたい「夢」と、なぜそれを叶えなければいけないのかについて考え、映像作品にした。作品の字幕には自分から同期に向けた感謝の手紙をである。作品を作るうえで使用した材料は、紙・ペン・色鉛筆・動画編集ソフトだ。


②先行研究

 各大学の新歓PVを先行研究として用いた。特に、京都大学男子ラクロス部 2019年新歓PVは参考にした。気づきとしては、『音ハメ』を利用することで作品とメロディがリンクし、見る人を引き付けることが可能になるということ。また、ところどころGoProなど画質の良い機材を使用すると臨場感が出たり、逆に黒い背景に文字だけの演出をすることで作品に緩急がつくことを学んだ。


③学びと感想

 動画編集ソフトの使い方を学んだ。また、映像の緩急を出す方法として動画、写真を織り交ぜたり、無地のページをつくることでメリハリがでるということも学んだ。この作品は自分に向けた動画だったが、ラクロスを知らない人にも見てもらう動画にするために、専門用語などは使用しなかったが、もっと配慮が必要だったと感じた。文字の量が多いページも少ないページも同じ長さで表示してしまったため、初めて作品を見る人には見づらい作品になってしまった。音にハメることも大切だが、見やすさ・余韻も意識して作品を作るべきだと感じた。


【2020年度秋学期個人研究について】 La+crosse

①作品の概要

 パラデル漫画アニメーションの映像制作。2028年からオリンピック種目になると言われているラクロスの魅力をより多くの人に知っていもらうために制作した。パラパラ漫画アニメーションとパラ出る漫画アニメーションを融合させた。作品に使用したものは紙・ペン・写真・動画・動画編集ソフトだ。


②先行研究

 吉本興業所属の本多修さんがつくるパラデル漫画を先行研究とした。パラパラ漫画アニメーションとの一番の大きな違いは、絵のなかから実物が出てくるということである。それによって、作品に緩急がつけることができる。春学期の個人研究の反省でアニメーションの緩急をつけたいと考えていたのでとても参考になった。本多さんの作品は、絵の中にいた棒人間が紙の外に出てきてキャッチボールを始めたり、飛行機にまたがって跳んで行ったりなど動画に緩急があった。


③学びと感想

 パラデル漫画、パラパラ漫画をつくるためには何枚もの紙をつかって作っていくが、わざと紙の位置をばらばらにするなどの工夫をすると手作り感がでて、それはそれで良かった。今回の作品の音声は自分の声のみだったので、声がないときに動画がさみしくなってしまったのが反省点として挙げられた。


【2021年度秋学期個人研究】 くたくたなTシャツ

①作品の概要

 2年間のゼミ活動の集大成となる映像作品なので、いままでやってきたことを詰め込めるだけ詰め込んだ。パラパラ漫画アニメーションと白紙にに絵を書いていく様子を表すアニメーションの融合に挑戦した。詩を絵の中にいれることで、自分の内面も出せるような作品にした。


②先行研究

 2020年度秋学期と同じため省略


③学びと感想

 詩を映し出すのにかかる所要時間は長めなので、それを持たせるための絵のアニメーションの時間も長くなるということを学んだ。今回の作品は、私自身の具体的な経験であるラクロス部での感じたことをTシャツと一人の少年に落とし込んである意味で抽象的な作品にした。スポーツをやってない人も、Tシャツ、もしくは少年のどちらかの立場で共感してもらえていたら嬉しく思うが、もうすこしたくさんフィードバックをもらうべきだったと反省している。

 以上のように、2年間稲垣ゼミに所属し奥のことを学んだ。作品を作る技術も成長したが、それ以上にゼミ生の感性に触れられたことがなによりもの収穫だと考えている。自己表現することの大切さ、それを受け入れられたとき、他者の真意に気づけたときの高揚感は大学の他の講義では学ぶことができなかっただろう。この経験を糧に社会人として活躍していきたい。


参照

・京都大学男子ラクロス部 2019年新歓PV 京都大学男子ラクロス部 2019年新歓PV


・パラデル漫画でHOW TO ラグビー  パラデル漫画でHOW TO ラグビー【ラインアウト編】