秋月亜美奈

一日の終わりに

写真 Lサイズ、A3(iPhoneで撮影)

撮影地 東京 神田・豊洲

ポスカ、カラーペン、クレヨン、カラーセロハン、画用紙" "写真には、写っている対象と撮影者の距離感がそのまま出てくるのではないでしょうか。

今回の作品に協力してもらった彼は、高校の同級生、会うのは卒業式以来でした。最初お互いになんだか照れくさくて、一日の終わりに向けて少しずつ二人の空気感が出来上がっていく。その時間を通じて、当時知り得なかった彼が少しずつ見えてくる。一日の中で変わっていく距離感と彼に対する印象を数十枚の写真、そして写真に色を塗り込んで表現しました。

end of the day

Photos 89×127mm, A3 (taken by iPhone)

Location Kannda・Toyosu, Tokyo

POSCA, colored pens, crayons, color cellophanes, Drawing paper" "In the photograph, the sense of distance between the subject and the photographer may appear as it is.

He was a high school classmate who cooperated with this work, and I haven't met him since the graduation ceremony. At first, it was kind of embarrassing to each other, and gradually the atmosphere of the two people was created toward the end of the day. Throughout that time, I found new sides of him, which I did not know at the time. Dozens of photographs and the a photograph painted express the changing sense of distance between him and me and impression of him throughout the day."

一年の記録

個人研究レポートパワポ

個人研究レポート

法政大学国際文化学部19G1001 秋月亜美奈

2021年度は一年を通して、「友人の素の一面を切り取る」ということをテーマに活動できた。その活動を春学期と秋学期に分けて振り返る。

春学期はもともと那珂湊高校の現役高校生の日常を撮影したいという思いから作品制作を始めた。友人と過ごす時間は、当たり前のようでそれぞれ違った個々の時間であると考えた。その、一見日常生活に溶け込みありふれたように感じるものの、自分たちだけの特別な時間・日々を友人目線でカメラに映すことにした。そして、仲の良い友人にしか見せない姿やリラックスした素の姿を切り取るために友人が撮影するのがいいと考えた。また、個人個人それぞれの思い出に焦点を当てるという点で、稲垣先生の『My place』との関連性を持たせることにした。MMMの現地開催が難しいとなったとき、このアイデアを一度ゼロにするのではなく、友人だからこそ撮れるその人自身のふとした姿という点は残して何か作品を作りたいと考えた。『My place』のインタビューをもとに作品を作ろうとしたとき、このアイデアと臼田さんのお話の相性がいいと感じた。そのため、臼田さんのお話にあった「海」に関連した作品を作ることにした。臼田さんのインタビューでは、幼稚園から海の絵を描いてほしいという依頼があったのを機に、海で絵を描く習慣がついたというお話があった。臼田さんにとっての海は、「無心で絵を描いたりする場所」であるとすると、私と友人にとっての海をリアルタイムでカメラに残そうと考えた。撮影に協力してもらった彼女は高校時代からの付き合いで、高校の3年間も受験期も大学に入ってからも大事な時を一緒に過ごしてきた大切な友人である。協力してほしいと頼んだ時も「ぜひ!」と楽しみにしてくれていた。当日に何を撮っていいか分からなくならないように事前にYoutubeやInstagramなどで撮りたい画をイメージしてメモをして行った。アクセスや雰囲気を考慮して撮影は七里ガ浜で行うことにした。撮影当日は基本動画や写真を常に撮っていた。撮影はiPhoneで行った。どの動画や写真を実際に使うかは編集してみないと分からないため、いいと思った瞬間はすぐ撮影するように心掛けた。また、友人の素の姿を撮影することが根底にあるため、いつも通りの会話を意識し、リラックスした状態をカメラに映せるように努力した。撮影してみて、女子同士ということもあり普段遊ぶ時から写真を撮ることもあるため、変に意識せずに今回の撮影ができたと考える。編集作業は、使う動画の取捨選択とつなげる順番を決める段階に一番時間がかかった。工夫した点としては、音のみを抽出して映像に注目できるように雑音を消し、本編終わりにメイキングやエンドロールをイメージしたものを入れたことである。また、本編にはBGMを付けずに、1分越えのノーカットシーンを入れることでYoutubeのVlogのようには見えないように、あくまで作品に見えるようにした。結果この映像作品の制作を通して、一度はやってみたかった映像作品に挑戦できたことと、「友人の素を切り取る楽しさ」に気が付けたことが良かったと考える。そして単純に友人と私たちにとっての海にまつわる思い出ができたという事実も良かった。

秋学期の個人研究は、アイデアを練っている段階で、MMMでいいなと感じた「友人の素を切り取る」というテーマで作品をまた作りたいと考えていた。しかし、同じ映像という形ではなく新しいことに挑戦したいという思いと、次に協力してくれる子は久々に会う友人にしたいと考えた。そこで高校卒業以来久しぶりに会う彼に協力を依頼した。男の子ということもあって常にカメラで撮っていると緊張すると思い、写真と画用紙に色を塗り込んだものを作品にしようと考えました。撮影は彼の大学のキャンパスがある神田周辺と、豊洲で行った。最初はお互いに気恥ずかしさもあったが、一日の終わりにつれ二人独特の空気感が出来上がっていったのではないかと感じた。実際に撮影したものを見てみて、会ってすぐ撮った写真とその日の終わりごろに撮った写真では雰囲気も距離感も変わっていた。そこで、この違いを作品に反映できればと考えた。展示するときは、一日の時間軸を表現するために円の形に配置することにした。画用紙に印刷した写真は、撮影の段階で色を塗り込んだ時の構図をイメージして撮ったものである。小さいころから色を塗る作業は苦手だったため不安はあったが、練習用の画用紙に試し書きしてから失敗しないように作っていった。クレヨンと水彩ペンをポスカと併用することで細かい色を表現できればと考えました。また、実際の色と塗り込む色が異なる場合の方が多かったためその現実と異なる配色がきれいに見せられるように心掛けた。カラーセロハンは材料調達をしにダイソーに行った際に、偶々見つけて、使えればいいなと思って購入していたものです。太陽の光が黄色く色づいた紅葉と相まって光っている様子がちょうどカラーセロハンで表現できると考え使用した。全体の配色としては、彼の優しく温かい人柄を表現できるように意識した。この作品制作を通して、一度は塗り込んでみたいと思っていたことが実現できたことが一番の収穫であった。

一年を通して、「人」に焦点を当てて作品が作れたことが良い経験となった。来年度もこの延長線上で作品を制作していきたい。