萩原瑞来

ラクロス選手の視界

動画、カメラ、動画編集ソフト

ラクロスをもっと多くの人に知ってもらいたいという気持ちからこの作品を考えました。言葉でルールを説明するのは簡単にできますが、実際にラクロスをやっている人の気分を味わってもらう方が興味を持ってもらうキッカケになるだろう!と考えました。私の練習中の視界動画を撮ることで、見た人がまるで自分がプレーしているかのように感じてくれたら嬉しです。

Lacrosse player Visibility

video camera, video editing software

I came up with this work because I wanted to let more people know about lacrosse. It's easy to explain the rules in words, but I thought it would be better to let people feel what it's like to actually play lacrosse, so that they would get interested. That's what I thought. I would be happy if by taking a video of my view during practice, the viewers would feel as if they were playing themselves.

一年の記録

稲垣ゼミ2021 萩原瑞来 - 萩原瑞来

2021年度稲垣立男教授ゼミ「コミュニケーションとアート」(水曜・3、4限)レポート

「ラクロス」をマイナーからメジャーへ

国際文化学部 国際文化学科 3年G組 19G0612 萩原瑞来

「ラクロス」という競技をご存知だろうか。

最近になって競技人口が増え、駅でラクロスの道具を持ち歩く人をよく見かけるようになった。しかし、未だメジャーではなく老若男女問わず周知されているスポーツではない。

私は、高校生の頃からラクロスをやっており、現在も法政大学の女子ラクロス部の一員として活動している。今年でラクロス歴7年目に差し掛かろうとしているが、こんなに楽しいと思わされるスポーツはこれまでに出会ったことがない。

地上で最速の球技スポーツであり、攻守展開の早さ、対人する迫力、選手の連携プレーなど見所の詰まった競技だといえる。

このように、言葉で説明することは簡単だが実際に競技をイメージできた人はごく僅かではないだろうか。

例えばサッカーは、学校の体育の授業で取り扱う機会がある。言葉の説明だけでなく、実際に試すことで初めて「楽しい」や「難しい」など、そのスポーツに対しての感情を抱くことができる。

しかしラクロスはマイナーなスポーツであるため、メディアに出る機会も少なく学校で取り扱われる競技でもない。そのため、実際に観たことがある人や興味を持って仮入部に来たことがある人しか「ラクロス」というスポーツに触れる機会がない。それ以外の人はまず「ラクロス」について感情を抱いたことがないのである。

したがって、ラクロスを実際にやっている私が、こういった現状を打破し興味を持つ人をもっと増やしたいと考えた。しかしラクロスは、行う際に最低でもアイガード・マウスピース・グローブ・クロスが必要であり、簡単に試すことができない。そのため、道具がなくてもラクロスをやっている気分になることはできないだろうかと考え、映像作品にたどり着いた。

「Lacrosse player visibility」

ラクロス選手の視界を映像にした作品である。この作品は、実際にラクロスをプレーしている人の目線位置にカメラを設置し、プレー中の視界を映し出したものである。目線の動画にすることで、「プレー中どこを見ているのか」や「どのくらいのスピードで球が来るのか」など、観ている人も実際にラクロスをやっている様な感覚になることができる。また、コロナウイルスの感染拡大の影響により、簡単に仮入部や体験をすることが難しくなった。そういった時にこの映像を観れば、少しでもラクロスというスポーツがどのようなモノなのか理解できると考える。

この作品を思いついたきっかけは、普段よく見ているInstagramに掲載されていた動画である。それはジェットコースターに乗っている人の目線動画で、落ちる瞬間のハラハラする気持ちやスリルな気分が味わえ、実際に乗っているような感覚になれるものだ。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、気軽に出かけることが出来なくなってしまった。こういったストレスを解消するために、家でも遊園地の雰囲気を楽しめるようにと考えられたものが「ジェットコースターの目線動画」である。特に360度カメラを使った映像は、ジェットコースターで上昇している時の周りの景色まで見ることが出来る。(①)普段ジェットコースターが苦手で乗れない人もこの映像を観れば乗った気分になることができ、老若男女全ての人が楽しめる作品であるといえる。また、この360度カメラは広告する際にも活用的である。消費者が360度から商品を観ることができるため、より広範囲に把握できるという利点があるからだ。(②)

したがって、似た作品をラクロスで作成することで「やってみたい」という気持ちになったり興味を持って貰ったりすることができると考えた。さらに、映像作品はSNSでも共有することができるためより多くの人に観て貰うことができる。

作品制作

制作するにあたり、予算問題で360度カメラは準備ができなかったためiPhoneカメラで代用した。ラクロスをプレーするフィールドの選手(私)の目線動画と、ゴーリー(ゴールキーパー)の目線動画、マネージャーの目線動画の計3つに分けて撮影を行った。

私は、プレーする際に付けるアイガードにカメラを設置し、撮影。

ゴーリーは、ヘルメットにカメラを設置し、撮影。

マネージャーは普段動画を撮るように手に持ってもらい撮影をした。

この作品を制作して反省点が2つあがった。

1つ目は、撮影に挑もうとした際に想像以上にアイガードへのカメラの設置が難しく、急遽Tシャツの胸辺りに貼り付けて撮影することにしたため、目線の動画ではなくなってしまったことである。

2つ目は、走っている動画のため大きくぶれた動画になってしまったことである。何をしている最中なのか一目見て分かる映像ではなかったため、説明文をもう少し付け加える必要があったといえる。

良かった点は、「スポーツをしている人の目線動画」という新しい試みができ発見があったことと、観た人が皆「すごい」とか「格好いい」とかラクロスに対しての感情を抱いてくれたことである。

同じラクロスの選手でも、ゴールキーパーの目線はその人にしか分からない。そのため、私も初めてゴールキーパーの目線になってみて「こんな風にシュートが打たれているのか」と勉強になった。撮り方をもっと工夫すれば技術向上のためにも使える動画になると感じた。

そして何より、ラクロスを知らない人たちからこの動画を褒めて貰えたことが一番の収穫である。スポーツを広める際に必要なことは、そのスポーツに対して何らかの感情を抱くことである。「怖そう」、「楽しそう」、「ドキドキする」など何か1つの気持ちから、試合観戦に行ったり好きな選手ができて応援したりするものだ。

ラクロスはメディアで取り上げられることが少ないからこそ、映像作品にフォーカスしSNSを駆使して広めていくことが必要とされる。これまではプレーを客観視する映像しかなかったが、今回選手の目線を映した新しい撮影方法の動画で反応を得られたことから、これから活用していくべきコンテンツだといえることが分かった。今後は反省点を生かし、より伝わりやすい動画を作成・発信し、「ラクロス」をマイナーなスポーツから皆が知るメジャーなスポーツへと展開していきたい。(2467字)

参考文献

https://youtu.be/pkyKj0H4UFA

https://start-x.work/blog/content/e9ZIOt52