多田智織

私×メイク

サイズ:はがき(148×100mm)

材料

スマートフォン(使用アプリ: アイビスペイント)画用紙口紅アイシャドウメイクブラシ綿棒マナーや誰かの意見、年齢なんて気にしない。

私は私のためにメイクをする。

日々のメイクが楽しいものになりますように。

I×Makeup

Size:Postcard(148×100mm)

Material, Smartphone(App: ibisPaint), Drawing paper, Lipsticks, Eye shadow, Makeup brush, Cotton swab

I don't care about manners, someone's opinion, or age.

I Makeup just for me.

I wish your daily Makeup will be fun."

一年の記録

個人研究2021 - 多田智織

1 MMM


 茨城県那珂湊市にて開催の「みなとメディアミュージアム(MMM)」において、那珂湊と脱出ゲームを組み合わせた企画班に所属していました。昔からPCで出来る脱出ゲームが好きでよく遊んでいたので自分も制作してみたいと思ったのと、展示会場のホテルならリアルな脱出ゲームが計画できると思ったのが、脱出ゲーム班に参加した主な理由です。実際には新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて、狭い空間や密室はふさわしくないという結論に至り、グループ内で話し合ってMMMの会場を巡るウォークラリー形式の展示にしました。



 ウォークラリー型の謎解きを制作するにあたり、毎週水曜日のゼミが終わった後に謎解き班で別途ZOOMで集合し、大きく分類して①場所②謎解きクイズ③ストーリーの問題について話し合いを行いました。

 

まず①場所について、那珂湊住民の方々のインタビューを基にしたゼミ全体企画「My Place」と関連付ける計画であったため、My Place近くのルート上に設置しようと考えましていました。②謎解きクイズについては何問か用意する必要があったので、グループ所属の四人が那珂湊の地名や海に関連のある問題を各自用意しました。その際クイズのヒントも設置するべきだという意見があり、QRコードを問題文に載せるかヒントの看板も別に設置するかなど話し合いました。グループでお互いの考えた問題を解きあって、かかる時間はどのくらいか、難易度は丁度良いか、どんなヒントがあったら良いかを確認しました。③ストーリーについて、リアル脱出ゲームが様々なテーマで開催されているのを参考にして、ただ問題を出題するだけではなく謎を解くたびにストーリーが進んでいき、参加者を飽きさせないように工夫しました。私はストーリーを担当しており、参加者は名探偵の助手となって証拠集めや謎解きの手伝いをするという語の構造を考えたり、それをイメージしたポスターを作ったりしました。

 

 そしてMMMの作品を大学キャンパス内で展示することになり、それまで企画していたウォークラリー型の謎解きはスペース的に成り立たなかったため、LINEの公式アカウントを利用した展示に移行しました。グループのメンバーの一人に、公式アカウント「なかみなと君」はクイズと魚が大好きという設定と、アカウントのプロフィールを公認キャラクター


「なかみなとちゃん」を参考にイメージ画像を作成してもらいました。参加者とのトークルームで那珂湊やMy Placeのインタビュー記事に基づいたクイズを出題し、参加者がクイズの回答を入力し、回答のキーワードに反応してなかみなと君がクイズの解説と次の問題を出題を行いました。途中にクイズの正解者しか見られない、My Placeのインタビュー記事を要約し、それをグループメンバーが読み上げ演じた音声動画を挿し込みました。展示会場での展示方法について、公式アカウントなかみなと君と友だちになれるQRコードを十数枚印刷し、謎解きだと分かりやすくするためにクエスチョンマークの形に並べました。結果現在めでに40人以上がなかみなと君を友だち追加して遊んでくれました。

 

グループで作品制作に取り組み、意見がたくさん出て案がまとまらないことや一人に役割が集中してしまったこともありましたが、自分にはない発想を得たり個人でやる以上の責任感を持てたりと良い経験ができましたし、グループメンバーとの距離も縮まりました。


2 個人製作


 私は春学期から「強い女」をテーマに作品を作りたいと考えていました。高校の時から女性の社会進出に興味があり、大学に入学してからも表象文化やジェンダーの授業をいくつか受講する中で、家父長的性役割規範に基づいた女性像や価値観からの脱却を目指す現代社会の意識変化や活動を学び、「強い女」は個人としての女性を尊重するための新しい大事なコンテンツだと考えました。


 最初は私が思う「強い女」を絵にしてアルバムにまとめる予定で、ブラックコーデの女性や制服のギャルを描いていましたが、ただ見た目が強そうな女性になってしまったので止めました。最終的に「強い女」を色々考えているうちに、動画で見た渡辺直美さんのメイク動画やセーラームーンの変身動画を見て「メイク」を作品に入れられたら素敵だなと思うようになり、個人製作の「I×Makeup」に行きつきました。

 

完成した作品はイラストの三人の女の子に現実のコスメ用品のブラシを使ってメイクしたもので、カラフルに仕上がりました。メイクでキラキラに変身した彼女たちは、自分に自信と誇りを持った「強い女」にぴったりで、見る人に自分もこうなりたいと思わせる魅力と輝きがあり、個人製作でも人目を気にせずメイクを楽しむという気持ちと、自分の好きな色や表現を堂々と見せられる自信を取り込んだものにしました。

 

 実際の制作方法について、まず紙に女の子のイラストの下書きを描き、スキャンしてスマートフォンに線画を取り込み、イラストアプリのアイビスペイントで色塗り、はがきサイズの画用紙に印刷し、リップやアイシャドウを仕上げにつけました。それぞれピンク、オレンジ、ブルーの色イメージをつけて、使うコスメ道具を変えました。一番難しかったのはアイシャドウで、人の肌のように発色しないので綿棒で上からトントンと地道に重ねました。

 アンケートで「メイクを好きな気持ちが伝わった」とのコメントをいただいたり、ゼミのメンバーにかわいいと褒めてもらたり嬉しかったですし、意図が伝わって良かったと思いました。