平野蒼衣

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額縁、水彩絵の具、筆、水彩紙(ホワイトワトソン)サイズF4(最大333×242mm)

いつもそばにいて、見守ってくれていたもの。

同じ場所でも季節が変われば景色が変わるように、あたりまえだと思っていた居場所や人との繋がりは、環境の変化と共に変わることもあるけれど、それでも全てが無くなってしまうのではなくて

離れていても、形が変わっても、昔と変わらず「ここ」にいて今の私の支えになっている。

コロナ禍を通して、そう肌で感じた一年でした。

今回作品を制作するにあたって、中高6年間を共に過ごした友人に協力してもらい、母校のある元町を中心に地元横浜を巡り、今この瞬間にあるものを水彩画で表現しました。

透明水彩だからこそ出せる透明感や柔らかさを、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。

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Frame, watercolors, brush, watercolor paper (White Watson) size F4 (max. 333 x 242)

The things that were always being with me and watching over me.

Just as the scenery even in the same place changes with the seasons, the places and people that I took for granted can change with the environment, but even so, not everything disappears.

Even though we are far away from each other, and even though the form of our relationship has changed, we are still """"here"""" as we were in the past, and that supports me now.

It was a year when I felt this firsthand through the Covid19.

In order to create this work, I asked the help of my friends with whom I spent six years of junior high and high school, and we toured around our hometown of Yokohama, mainly Motomachi and expressed the scene in watercolors.

I hope you will enjoy the transparency and softness that can only be achieved with transparent watercolors."

一年の記録

2021年度個人研究

提出日1月7日

2021年度「表象文化演習」個人研究レポート

国際文化学部国際文化学科2年 20g0013 平野蒼衣

本年度の活動は、春学期はオンライン、秋学期からは対面で行った。4月〜6月上旬まではみなとメディアミュージアム(MMM)に出展する作品の話し合いをメインで行い、それと並行して春学期中にワークショップを5回行った。夏休み期間にはゼミ生全員が2023年度国際文化学部パンフレット表紙絵コンテストに応募し、10月〜11月はMMMサテライト展やスタニフラフスキーシステムを用いた映像制作・上演会、デザインフェスタでの課外活動などを行い、12月には個人研究・卒業研究展示会を行なった。今年度の活動を一つ一つ振り返りつつ、良かった点や改善点などを自分の感想も交えつつ挙げていきたいと思う。

まず共同制作としては「My Place」を制作した。那珂湊で起きた出来事や思い出をテーマに地元の方々にインタビューを行い、それらを文字起こししてテキストにしたものを、その出来事に関係の深い場所に展示する予定だったが、コロナの関係上現地に行くことが難しくなったため、夏休み明けの11月からメディアラウンジでサテライト展を開き、テキスト化したものを印刷して額縁に入れて展示した。実際にインタビューしている映像もテキストの下で流した。インタビューの様子とテキストを同時に見ることができるのはサテライト展ならではだったが、インタビュイーの方々に実際の展示を見てもらえなかったことや、出来事が起きた場所に展示するからこそ意味がある作品だったため、作品の意図がやや伝わりづらかったことが反省点である。

個人制作では、5月に自分のぜんまいでリアル脱出ゲームについて発表したことがきっかけとなり、4年生の朱雀さんと周さん、3年生の多田さんと共に那珂湊で周遊型のリアル脱出ゲームを制作することになった。6月〜7月はゼミ後もZOOMを使って4人で話し合い、現地での開催を前提にリアル脱出ゲームの制作を進めていたが、MMMの延期が決定し、またコロナの影響で現地に行くことが困難となったため、周遊型でのイベントの開催は中止となった。夏休み明けからは朱雀さんが卒業され、また新たに4年生の廣岡さんを迎えてサテライト展示用に脱出ゲームを制作し直した。タイトルは「なかみなと君からの挑戦状」となり、なかみなと君公式LINEを作り、アカウントを追加することでクイズに参加できる形式に変更した。イメージキャラクターの「なかみなと君」は、実際に存在する茨城県ひたちなか市那珂湊準公認のキャラクターである「なかみなとちゃん」をオマージュして制作した。「My Place」との関連性は、クイズがインタビュー内容を読まなければ解けないようになっている点である。クイズの1問目は「ホビーショップ風車店主さん」の、2問目は「梅藤米殻 鹿志村吉信さん」のインタビュー内容を基に作成した。クイズをクリアした後には、同じMy Placeのインタビュー内容を基に制作したラジオドラマ風の動画が見られるようになっている。このラジオドラマの台本も自分達で作成し、自分達で演じた。サテライト展では、LINEの友達追加用のQRコードを数枚印刷し、?の形に床に貼って展示した。予想よりも多くの方に友達追加してもらえたことや、クイズを通してMy placeの展示も見てもらえたことはとても良かったと思う。しかし受付前に貼ったため、何人かに踏まれてしまったことやクイズの難易度がやや高く、所要時間をオーバーする人が多かったこと、どのインタビューテキストと関連しているかが分かりにくかったことが反省点である。

夏休みには、2023年度国際文化学部パンフレット表紙絵コンテストに参加した。デザインは「プレゼントボックス」をイメージし、中からは本学部のディプロマポリシーにある諸言語国をモチーフにしたキャラクターが飛び出している。異文化を学ぶときの驚きやワクワク感を、プレゼントボックスを開ける前の心情と重ねた。背景のカラーは法政カラーでもあるオレンジを多く使用した。ありがたいことに最優秀賞をいただき、賞状と景品をいただいた。

そして秋学期からはワークショップの一環としてスタニフラフスキーシステムを使った映像制作を行った。5つの班に分かれ、毎週班ごとに台本を交換して書き進めたり、他の班の台本で演じたりもした。第3章で完結し、完成した台本をもとに映像制作、上演会を行った。私はRoom5に所属し、「人気V-Tuberのオフ会」をテーマにした映像を作成した。人気V–Tuberの4人がコラボ配信をきっかけにオフ会をすることになるのだが、実はこの4人は大学時代同じゼミに所属していた顔見知り同士だった…という物語である。V-Tuberとしてコラボしている最中の映像シーンを撮るために、「V Roidモバイル」というアプリを使ってそれぞれが担当するキャラクターのアバターを制作した。また、現実世界の姿とV-tuberとしての姿に差が出るように、性格や話し方などを細かく設定し、見た目や服装もそれに合わせた。コラボ中のシーンはZOOMを使用して撮影し、オフ会のシーンは実写でスマートフォンのカメラを使用して撮影した。ZOOMでの撮影でラグが発生し、音声とキャラクターがずれてしまったことや、実写のシーンであえてスマートフォンを見ながら顔を見ないで話し現代社会の闇を表現したのだが、説明なしでは伝わりづらかったということが反省点である。

最後に、12月の個人研究展では水彩画と写真を展示した。中高6年間を共に過ごした友人に協力してもらい、母校のある元町を中心に地元横浜を巡り、その様子を水彩画で表現した。水彩画の周りには色や明るさを調整し、水彩画に合わせて薄く編集し、その日の写真を飾った。協力してくれた友人が展示会に来てくれて、絵を見て喜んでくれたことが嬉しかった。改めて誰かのために作るアートはいいと感じた。また、初めて水彩画に挑戦したが、練習するほどコツを掴んでうまく塗れるようになり、その過程が楽しかった。一方で取り掛かり始めるのが遅くなり、時間不足で予定していた枚数より少なくなってしまったことや、人物画メインで風景画の練習があまりできなかったこと、納得できるものが書けるまで失敗しすぎて紙を無駄にしてしまったことなどが反省点である。

このように1年間の活動を通して、MMMや課外活動、ワークショップなどを経験し、知らなかった作品や様々な表現に出会えてとても勉強になった。展示会を通して、来場して下さった方からの意見が聞けたこともとても勉強になり、改めて作品を見てくれる人がいるありがたさにも気づくことができた。また、今までは作品を鑑賞する側だったため、自分たちで0から作品を作るということが、自分にとっては貴重な経験だった。コロナ禍で何もできなかった1年次とは異なり、今年は充実していて有意義な時間を過ごせたと思う。今年の活動を来年度以降の活動にも活かしていきたい。