第42回 7月【文月】
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第42回 7月【文月】
七夕の短冊に書き込まれた一つひとつの願いを見ながら、織り姫と彦星が無事に会えますようにとの願いを込めて祈った七夕の行事は、とても素敵だと思っています。若い二人のためを祈って空を見上げたこと、つまり他者のための祈りが込められていることをしみじみと温かく感じます。そんな七夕の行事がある7月は「文月(ふみづき)」と呼ばれることを思い出しました。これもまた美しい響きです。字源は諸説あるようですが、七夕の日に和歌を詠む風習があったことや、夜に書物を乾かす季節という話もあります。さらには、稲の穂が出始めるので「穂含月(ほふみづき)」と呼んだことから来ているという説もあるそうです。私は、子どもの頃、「天の川を見上げて豊作を祈る月」と祖父母より教えられましたので、最後の説に近いようです。学生のみなさんは期末試験があり、必死に文字と格闘し合格を祈る月ですね。
誰かに思いを寄せながら文字を書くという行為は、人間が太古より大切にしてきました。文字や言葉を書き残す手段は長い歴史の中で大きな変化を遂げました。しかし、誰かを思い、誰かに思いを伝えたくて、あるいは未来の自分に伝えるために、文字を記す行為は連綿と引き継がれています。手紙や日記、応援の寄せ書き、御礼の色紙、あるいはブログなど様々な形がありますが、みなさんはどんな風にして思いを届けますか。
さて、私は笹の香り豊かなお団子を楽しみつつ、言の葉をどこに舞わせましょうか。
白山キャンパス6号館の七夕飾り(2024年度)
\この記事を書いた人/
公開日:2025年7月1日