哲 窓 茶 話 てつそうさわ
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学長・副学長のつぶやき
📝イベントレポート
赤羽根健生氏「Nature Food」掲載記念特別講演会
~成長のための資質~
🧪研究担当副学長 水村容子
◾️東洋大学の研究が国際ジャーナルへ掲載
2026年4月27日、朝霞キャンパスで開催された修了生赤羽根健生氏の「Nature Food」掲載記念特別講演会に参加しました。赤羽根さんは2025年3月に本学の生命科学研究科博士後期課程において博士の学位を取得し、現在は理化学研究所にお勤めになっています。博士論文での研究が世界的に権威あるジャーナルNature Foodに掲載された記念の講演会でしたが、その研究の内容とは(私自身の専門分野とは異なるためざっくりとした理解ですが)次の通りです。稲などの穀物には、人間の健康に有効な鉄・亜鉛などの成分が含まれているが、その生育に必要なフィチン酸は鉄や亜鉛の吸収を妨げる作用がある。赤羽根さんの研究ではフィチン酸の作用を抑制し、人間が穀物を摂取した際に、鉄や亜鉛の吸収を増強する化合物の生成に成功しました。このことは稲の栄養価を高めると同時にHidden Hunger(隠れた飢餓:カロリーは摂取しているがビタミン・ミネラルなどの栄養素が不足している栄養失調状態)と呼ばれる世界の食糧問題への貢献が期待されているのだそうです。
◾️優れた研究を行うためには
この様に世界的に評価される研究は、一人だけで成し遂げることは困難なものです。今回の研究も、学内では生命科学研究科と食環境科学研究科の教員による指導や院生の協力に加え、理化学研究所や(株)CRYO SHIPといった研究機関・企業からの装置の提供などを通じて、多様な立場の研究者による協働によって成し遂げられました。多様なステイクホルダーによるチーム作りも、優れた研究を展開する上で重要なポイントです。
懇談会の様子(食環境科学部学生が運営にも携わっている朝霞キャンパス学食にて)
◾️研究に必要な資質とは
当日は教職員・関係者に加えて、多くの学部生や大学院生も参加していました。また講演会では、彼の研究指導者や協力者の皆さんもお話しになりましたが、その際印象に残ったのは、赤羽根さんの人となりについてです。「こつこつと物事に取り組む」「気配りができる」「すぐに感謝を述べる謙虚な姿勢を身につけている」理化学研究所の上司の方はこのように彼の人柄を説明していました。
みなさんは、「優れた人材」という言葉を聞いた時、どのような人物像を思い描きますか?「オリジナリティある発想をする」「人の上に立てる」「素晴らしい業績をあげられる」などでしょうか?確かにこうした資質も重要ではありますが、実際には、謙虚に自分の仲間達のことを気遣い、地道に自分の役割を貫ける人の周りにこそ、仕事上の成功は存在するものだと思います。
講演会の終了後に懇談会が催されましたが、多くの学生が赤羽根さんの成功を祝っている場面を目にしました。彼の人柄が多くの友人・後輩を惹きつけているのでしょう。また、こうした交流が学生同士の切磋琢磨へと繋がり、より優れた研究成果があげられるのだと思いました。
◾️東洋大学が目指す研究
現在、東洋大学では学校法人東洋大学SDGs行動憲章を定め、持続可能な地球の発展に貢献できる様々な教育・研究活動に取り組んでいます。研究領域では、共存共栄の世界を創るための価値創造を果たすため、研究機関として多面的な知を結集し、広範かつ重層的な研究を展開し、多様で複雑な課題の解決を目指しています。今回の赤羽根氏の研究成果は、まさにその目的を達成するものです。これからも、このような研究の成果が多く生まれることが期待されています。引き続き東洋大学での研究成果にご注目ください。