第9回 スペシャリストとジェネラリスト

  大学は、学問の最高学府。その道のスペシャリストになるために、高度に専門的なことを学ぶところです。

 

近年、文部科学省はSTEAM教育や文理融合教育、キャリア教育や起業マインド教育の重要性を主唱しています。これは、大学進学率の高まりや社会経済状況の変化などに伴い、大学教育の役割・育成すべき人材像も変わってきたためです。

 

言い換えると、研究者などのスペシャリストを養成するだけにとどまらず、「会社などで適確に業務遂行ができる人間の育成」が大学に求められていると言えます。また、どのような社会経済状況の変化が訪れても、また、職場環境が変わっても「変化に適確に適応できる能力を備えた人材の育成」も求められているとも考えられます。

 

 今から約45年前に私が大学に入学したときに言われた言葉があります。「専門分野を徹底的に究めたスペシャリストになってください。ただし、専門バカにならないようにしてください。」です。また、社会に出てからは、次のようなことを言われました。「どんな仕事であってもオールマイティに完遂できるジェネラリストになってください。加えて、自分の得意分野を持ったスペシャリストを目指してください。」です。

 

 振り返ってみると、表現ぶりこそ異なりますが、今も昔も、「学び」に対する態度や考え方は、あまり変わっていないのかもしれません。また、「社会が必要としている人材像」も然りです。

 

 秋学期が始まりました。東洋大学は、数多くの学部や研究科を有する総合大学です。チャンスやメニューは、ふんだんに用意されています。スペシャリストであり、また、ジェネラリストであるために、自分自身の将来のあるべき姿を考えながら、学修に励んでください。


\この記事を書いた人/

副学長 東海林克彦

公開日:2022年10月1日