第35回 先進国の基準?
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第35回 先進国の基準?
先日学内の職員の皆さん向けの研修で、私がタイにあるアジア工科大学院(Asian Institute of Technology)に滞在していた時の話をしたのですが、せっかくなのでこちらでも共有したいと思います。
大学院生の研究指導をしていた時のことなのですが、ミャンマーからの学生でヤンゴンの廃棄物収集処分に関する研究を始めようとしている学生がおり、個別の打ち合わせでまず先進国(Developed Countries)の事例についてレビューをするように話しました。次の打ち合わせの時にその学生がレビューしてきた事例はタイの事例でした。私としては、まず欧米や日韓のものを調べてもらうことを意図していたのですが、その学生にとってはミャンマーの隣国となるタイもDeveloped Countriesの事例になるのです。同じ言葉でも人によってそれを判断する基準や解釈が違う、というのはよくあることですよね。
もう一つこの出来事で考えさせられたのは、われわれは日本の近隣の地域についてはその違いを意識しながら発言することが多いですが、例えば東南アジア、ヨーロッパなど離れた地域だと、その地域内のさまざまな違いを意識せずに話してしまうことが多いですよね。東南アジアだからこうとか、ヨーロッパだからこうとか。同じ地域の中でも国によって歴史や文化や慣習の違いだけでなく、経済発展の度合いにも違いがあるにもかかわらず。。。参考までに東南アジア各国の人口と一人当たりGDPを示した図を紹介しておきます。こう見ても各国で大きな違いがありますよね。
アジア工科大学院での2年間はさまざまな国からの学生たちと話をするなかで、それぞれの国の多様な違いに気づかされる2年間でした。
\この記事を書いた人/
公開日:2024年12月2日