第31回 コーダってナンダ?
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第31回 コーダってナンダ?
先日、福祉社会デザイン学部の先生と食事をしていた時、「澤口先生はコーダだったのですね。」と言われました。私は“コーダ”という言葉を知りませんでした。コーダ(CODA)はChildren of Deaf Adultsの略で、耳の聞こえない親のもとで育つ子どものことだそうです。2022年にアカデミー賞主要3部門を受賞した米国映画『Coda あいのうた』をご覧になった方もいるでしょうか。
私の両親は耳が聞こえません。CODAは「幼少期から親の通訳や代理交渉を行うなど、聞こえる世界と聞こえない世界を行き来する生活を送る。同年代の子どもたちに比べて心理的負担が大きく、さまざまな悩みを抱えている。」などと説明されます。確かにそうした一面はありましたが、そのことで悩んだりすることはなく、逆に、私には親が“障がい者”であるという感覚がありませんでした。
両親は外交的で友達も多く、障がい者であることに引け目を感じることもありませんでした。両親に連れられて、健聴者の大学生などが集まる地元の手話サークルに参加をしたり、みんなでキャンプに行ったりしながら、これが私にとって“普通”の生活でした。ただ昔ですので、両親とも聾学校を卒業後、大学には進学できませんでした。
今は、聴覚障がいに限らず、様々な障がいがある学生が合理的な配慮を受けて大学で学ぶことができます。目に見える障がいがある人も、目には見えない障がいがある人もない人も、どんな人でも社会で一緒に“普通”に暮らせる時代が到来したと感じます。
さわぐちたかし(5才)
宇宙科学博覧会(SPACE EXPO'78)
\この記事を書いた人/
公開日:2024年8月1日