第28回 常識は変わる。だから自分の哲学を持とう!
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第28回 常識は変わる。だから自分の哲学を持とう!
少し自分の昔話をさせてください。その昔、ポスドク(博士学位取得後研究員)をしていた海外大学から某私立大学講師に応募して採用が決まり、それまでの職を辞して帰国した時のことです。帰国後、新しいボスであるA教授との仕事の打ち合わせ後の雑談で子供の話題を出したとたん、A教授の態度が急変しました。「君には子供がいるの。なら僕は雇わない。僕は子供がいる女性は遅くまで働けないから雇わないことにしている。」生後半年の子供を抱え、帰国早々私は無職になりました。自分のキャリアは終わったな、と思いました。幸いなことに、学会仲間だった他大学の友人から、自分が所属するラボに欠員ができたと連絡を頂き、そちらの採用が決まって、私の無職期間は半年弱で終わりました。
A教授は極端だったかもしれませんが、当時は、「女性が結婚して子供を産んでまで仕事をするなんて。しかも理系で。」というのが一般的な風潮(常識)でした。
「昔の常識は今の非常識」という例は、体罰・パワハラなど沢山思い浮かびます。自分が「ふつう」だと思っていることは、別の時代、別の民族、別の国、別の地域、別の性(LGBT+を含めて)、別の世代、別の家族、別の人では当たり前とは限りません。「自分が思う理想的な社会・来るべき将来の社会はどういうものか」、学生の皆さんには想像を逞しくして、是非良い方向に自分が暮らす社会を、そして時代を動かしてもらいたいなあと思っています。
\この記事を書いた人/
公開日:2024年5月1日