投稿日: 2023/01/6 13:43:09
Day-to-day regularity and diurnal switching of physical activity reduce depression-related behaviors: a time-series analysis of wearable device data.がBMC Public Healthに掲載されました。
論文情報
Yokoyama S, Kagawa F, Takamura M, Takagaki K, Kambara K, Mitsuyama Y, Shimizu A, Okada G, Okamoto Y. (2023) Day-to-day regularity and diurnal switching of physical activity reduce depression-related behaviors: a time-series analysis of wearable device data. BMC Public Health, 23, 34. doi: https://doi.org/10.1186/s12889-023-14984-6
身体活動とメンタルヘルスの関連性は多く報告されていますが、特定の活動領域(余暇や座位など)に限定されたものや、従事時間(や強度)の合計値が指標として用いられており、連続的な生活内での変動パターンとの関連性はあまり知られていません。
今回、ウェアラブルデバイスを用いて1週間の個人の身体活動計測データに、時系列モデルを適合させ、得られたモデルパラメータと抑うつ行動の関連性を検証しました。
日々の規則正しい身体活動リズムが抑うつ行動の少なさと関連していると同時に、2時間前の突然の活動変化の影響を受けた身体活動パターンを示すことも抑うつ行動の少なさと関連していました。
規則正しい生活と、適度な活動の切り替えや休息のリズムが健康リスクの減少につながっているかもしれません。
内容:
大学生が1週間ウェアラブルデバイスを装着して通常の生活を行い、その際の身体活動強度を毎分連続測定(計165時間)しました。それをもとに算出した1時間ごとの身体活動量の時間的な変化を24時間の周期パラメータをもつSARIMAモデルに適合させ、個人ごとに最適なモデルパラメータを推定しました。結果的に40%の被験者では前日の活動量の影響を受けて翌日の活動量が変化していることが分かり(不規則な概日リズム)、そのことが抑うつ行動を増加させている可能性が示されました。また、日内の範囲では、2時間前の身体活動量の突然の身体活動量変化の影響を受けている者ほど抑うつ行動が少ないことが示されました。これらは連続測定された身体活動パターンから自動抽出できるパラメータであることから、今後の抑うつ行動検出アプリケーションに応用できる可能性があります。
キーワード:
時系列解析(Time-series analysis)、SARIMAモデル(Seasonal Autoregressive Integrated Moving Average model)、身体活動(Physical activity)、ウェアラブルデバイス(Wearable device)、抑うつ行動(Depressive/Depression-related behaviors)、回避(Avoidance)、反すう(Rumination)