■認知発達理論分科会第48回例会のご案内
第48回例会では、Handbook of Child Psychology and Developmental Science Vol.2の第7章 The Development of Symbolic Representation(pp.250-295)を取り上げます。ショートレクチャーは、名古屋芸術大学の加藤義信先生にお願いしています。演題は「乳幼児期の表象機能の発達は何が問題か」です。興味深いお話を聞けると思いますので、多数の皆様のご参加をお待ちしております。
●日時:2015年12月12日(土)10:00-17:30
●場所:早稲田大学・早稲田キャンパス14号館7階716教室。詳しくは以下の地図参照。
会場へのアクセス(http://www.waseda.jp/top/access/waseda-campus)
●文献:Handbook of Child Psychology and Developmental Science(7th Edition, 2015)
第2巻「Cognitive Process(Eds: Liben, L. S.,& Mueller, U.)」,
第7章「The Development of Symbolic Representation(Callaghan, T., & Corbit, J.)pp.250-295」 ISBN: 978-1-118-13678-2
http://as.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-1118136780.html
●時間割およびレポーター 司会:中垣啓(早稲田大学),月本洋(東京電機大学)
10:00 開会
10:05―11:15 pp.250-258 レポーター: 瀬尾知子氏(秋田大学講師)
11:20―12:30 pp.258- 264とpp.286-288 レポーター:大手真奈美氏(早稲田大学大学院教育学研究科)
13:30―14:40 pp.264-272 レポーター;茂田晃信氏(早稲田大学大学院教育学研究科)
14:45―15:55 pp.272-286 レポーター: 木村美奈子氏(名古屋芸術大学講師)
16:10―17:00 ショートレクチャー: 講師 加藤義信先生(名古屋芸術大学教授)
演題:乳幼児期の表象機能の発達は何が問題か?―理論的な問題提起と実験的研究の可能性―
17:00―17:30 全体討論
●ショートレクチャー講師自己紹介:1947年愛知県生まれ。愛知県立大学教授を経て、現在、名古屋芸術大学教授。博士(心理学)。研究領域は「幼児期の表象機能の発達」「空間認知の発達」「フランス語圏心理学の発達論」。今年10月に『アンリ・ワロン その生涯と発達思想』(福村出版)という本を出しました。
●ショートレクチャー概要:発達心理学では、21世紀に入ってから「表象」という語の評判はあまり芳しくない。もともと胡散臭い哲学用語であったことに加えて、使用者によって語義が異なり、科学的な実証研究には適さない用語として敬遠されるようになっていた。ところが今年、Wileyから装いを新たに出版されたHandbook of child psychology (and developmental science)では、1998年の第5版にはあって、2006年の第6版では消滅してしまった「(symbolic) representation」 の章が再び復活した。表象論者の私としては、これを契機に新たな研究の展開が始まることを期待している。表象は単なる記憶痕跡はないし、知識でもない。表 象の語義の中心は「心的置き換え」であって、この「置き換えるもの」と「置き換えられるもの」との関係の分化や距離化の進展こそが、表象機能の発達の問題 である。報告では、表象機能の発達に見られる2つの飛躍―乳児期後半のその発生と4歳前後のその意識化(メタ表象機能の発生)―を取り上げ、前者について はWallonの表象発生論が、後者についてはPernerのメタ表象論が有望な理論的展望を与えてくれることを論ずる。特に後者のPernerに ついては、その実証的研究は我が国でよく知られているにもかかわらず、理論内容については十分理解されていないことを指摘する。その上で、直接行為の向け られる世界と、それを心的に置き換えた世界(=表象的世界)との関係の意識化の発達過程を取り上げた私と共同研究者による実験的研究を紹介する。
●参加申し込み・参加費:事前の参加申し込みは必要ありません。また参加費に関しましては日本発達心理学会認知発達理論分科会員の皆さんは,規約にありますように年会費(今回のみの参加費ではありません)として2000円徴収しますが,院生など定職のない人は無料です。
●問い合わせ:本例会について内容に関してのお問い合わせは第48回例会幹事の月本洋(東京電機大学E-mail:tsukimotoi@c.dendai.ac.jp)へ,その他に関しては山名裕子(事務局:秋田大学,E-mail:yamana@gipc.akita-u.ac.jp)までお願いします。
また認知発達理論分科会の紹介や過去の例会に関しましては下記のホームページをご覧ください。https://sites.google.com/site/renzhifadalilunfenkehui/home
●懇親会:研究会終了後,会場近くにて懇親会を開く予定です。レポーター及び学生会員には参加費の割引があります。こちらも是非ご参加ください。