認知発達理論分科会第44回例会のご案内
第44回例会では,Katherine Nelson ed. (2013). Special Issue:Transcending Nativism and Empiricism in Cognitive Development: Review, Proposal, Commentary and Response. Cognitive Development, Vol.28,Issue 2.を文献として取り上げます。コメンテーターの小島康次先生から有益なお話をいただけるものと思いますので,ご期待ください。
●日時:2014年9月13日(土)10:15―17:50 ※10時以前は閉まっていますのでご注意下さい!
●場所:京都大学東京オフィス(品川インターシティA棟27階,会議室2・3)
品川駅・東西自由通路(レインボーロード)からは品川インターシティA棟の2階に入ります。エスカレーターで3階までお上がりの上,エレベータで27階にお越しください。なお詳細は
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/tokyo-office/about/access.htm をご覧ください。
●文献:Katherine Nelson ed. (2013). Special Issue:Transcending Nativism and Empiricism in Cognitive Development: Review, Proposal, Commentary and Response. Cognitive Development, Vol.28,Issue 2.
●時間割およびレポーター 司会:中垣啓(早稲田大学), 月本洋(東京電機大学)
10:15 開会
10:20―11:30 Stepping off the pendulum(Jedediah W.P. Allen, Mark H. Bickhard)の前半pp.96-114 石本啓一郎(立教大学大学院文学研究科博士課程)
11:35―12:45 Stepping off the pendulumの後半pp.114-130 柿原直美(法政大学兼任講師)
13:45―14:55 Commentaries and Responseの前半pp.134-143 齊藤有(ルーテル学院大学助教)
15:00―16:10 Commentaries and Responseの後半pp.144-153 大塚紫乃(江戸川大学講師)
16:25―17:15 ショートレクチャー: 講師 小島康次先生(北海学園大学教授)
演題: 生得―経験論争に終止符を打つ!
17:20―17:50 全体討論
●ショートレクチャー講師自己紹介:小島康次(こじま・やすじ)
ピアジェ理論を記号論的に再解釈する可能性について論じた『認知発達の理論と展望―ピアジェ理論への新たな視点』(青弓社)を上梓したのを皮切りに,発達 心理学への理論的研究に従事してきました。ダイナミカルシステムズ・アプローチへの接近や反表象主義ではピアジェと軌を一にしながらも,哲学的にはヴィゴ ツキー,ラカンが依拠するスピノザ(反デカルト主義者)により親近感を抱いています。したがって,ピアジェに対してアンビバレントな理論的立場をとってい ます。
●ショートレクチャー概要:
今回の対象文献はCognitive Development (2013) Vol.28. の特集号で,Allen & Bickhardによる,生得-経験論争に終止符を打つという内容の理論的論文を枕に,4名の論客がコメントを寄せ,さらに著者達がそれに答える形式を とっています。発達研究が元来,進化論にそのルーツがあったとしても,いわゆる進化心理学や新生得主義が主張していたような遺伝子の役割への過大評価を改 める時期に来たことを論じています。これまでもそうした指摘はなされてきましたが,現在,「後成説(epigenesis)」の再評価として,より具体的 に論じられるようになってきました。私は,元の論文であるAllen & Bickhard論文の解題を念頭において,以前,対象文献にもなったビョークランドとペレグリーニ(無藤隆監訳)『進化発達心理学』(新曜社)を援用し ながら,対象文献を掘り下げて紹介しようと思います。
●参加申し込み・参加費:
事前の参加申し込みは必要ありません。また参加費に関しましては日本発達心理学会認知発達理論分科会員の皆さんは,規約にありますように年会費(今回のみの参加費ではありません)として2000円徴収しますが,院生など定職のない人は無料です。
●問い合わせ:
本例会について内容に関してのお問い合わせは第44回例会幹事の月本洋(東京電機大学E- mail:tsukimotoi@c.dendai.ac.jp)へ,その他に関しては山名裕子(事務局:秋田大学,E-mail: yamana@gipc.akita-u.ac.jp)までお願いします。
また認知発達理論分科会の紹介や過去の例会に関しましては下記のホームページをご覧ください。https://sites.google.com/site/renzhifadalilunfenkehui/home
●懇親会:
研究会終了後,会場近くにて懇親会を開く予定です。レポーター及び学生会員には参加費の割引があります。こちらも是非ご参加ください。