朗読奉仕者選任式(2022年3月20日)

山頭 牧夫(やまがしら・まきお)神学生

司式:大分教区司祭 山下 敦 師(教区使徒座管理者)

「朗読奉仕者」について

 新カトリック大辞典(株式会社研究社)の解説要旨

 現在のカトリック教会において, 典礼に際して福音朗読以外の朗読奉仕を中心に行う奉仕職の呼称.第 2 ヴァティカン公会議以前の聖職位階のなかでは, 下級品級の第 2 段の役務で 「読師」 と呼ばれていた.

 西方教会において, 3 世紀頃から教役者の役務の一つとして定着した.6-7 世紀には, 福音朗読は助祭あるいは司祭に, 書簡の朗読は副助祭に委ねられた.10 世紀以降は, 4 種の下級品級の一つとして朗読者への任命が定着し, もっぱら司祭職への準備段階において授与される役務として理解された.

 第 2 ヴァティカン公会議以降, 教会の奉仕職全般が見直され, 1972 年に教皇パウルス 6 世は下級品級制度を廃止し, 宣教奉仕者と教会奉仕者を叙階の秘跡の前提ではない奉仕職として位置づけた.

 助祭職の志願者は叙階前に朗読奉仕者と祭壇奉仕者の奉仕職を授けられることが求められる.これらの奉仕職を授与する典礼は選任式と呼ばれる.

 朗読奉仕者の主たる役務は神のことばの朗読である.ほかにも, 歌と会衆の参加を導くこと, 選任を受けていない朗読者が典礼のなかで臨時に聖書朗読を務める際の準備を助けることも重要な務めである.

 そのため朗読奉仕者は, 絶えず聖書に親しみ, 神のことばの理解を深めるように努めることが求められる.