大分教会聖堂のステンドグラス

 大分教会の大聖堂の両サイドには,左右各8面,合計16面のステンドグラスを配しています。図柄は「ロザリオ」という伝統的な祈りに基づいたものです。

 ロザリオでは,キリストと聖母の生涯を3つのストーリー・各ストーリーにつき5つの場面に構成し,これらを黙想しながら祈ります。

 各場面の説明における文語部分は「公教会祈祷文」収載ののです。

 各「神秘」(玄義)をクリックして内容を御覧ください

・ 喜び〔受肉〕の神秘 (文語:喜びの玄義)

・ 苦しみ〔受難〕の神秘 (文語:苦しみの玄義)

・ 栄え〔復活〕の神秘 (文語:栄えの玄義)

 なお、第264代教皇ヨハネ・パウロ2世(在位1978-2005年)は,2002年の書簡「おとめマリアのロザリオ」で,「光〔啓示〕の神秘」 を加えました。

・ イエス,ヨルダン川で洗礼を受ける

・ イエス,カナの婚礼で最初のしるしを行う

・ イエス,神の国の到来を告げ,人々を回心に招く

・ イエス,タボル山で栄光の姿を現す

・ イエス,最後の晩餐で聖体の秘跡を制定する

16枚目のステンドグラス 「無原罪の聖母」 

 聖母は,人類一般の例に漏れず「原罪」を免れなかったか。それともキリストの器となる者として,あらかじめ原罪を免れていたか。

 神学者の間でも見解が分かれ,長らく慎重に議論されていました。

 1854年12月8日,教皇ピオ9世は回勅 Ineffabilis Deus により,聖母は原罪なくして宿られたことを宣言,教義として明確に定めました。

 聖母は将来キリストの母になる者として,神のご計画により,原罪の承継を免れていた唯一人の人である,という趣旨の教義宣言です。

 それから4年後,フランスの小村ルルドで暮らしていた少女ベルナデッタ・スビルーに,美しい婦人が姿を現すようになりました。

 ベルナデッダが「あなたはどなたですか」と尋ねたところ婦人は「わたしは原罪なしで(わたしの母の胎に)宿った者です」と答えました。

 その返答が初耳のベルナデッタには,何のことか意味がわかりませんでした。

 しかし,ピオ9世の回勅を知っていたカトリック関係者は驚愕し,「その婦人は聖母に違いない」と察しました。

 現地に湧き出した泉の水で奇跡的な病気の治癒なども起こり,ルルドはその後世界的な巡礼地になりました。

 カトリック教会では12月8日を「無原罪の聖母」の祝日とし,2月11日を「ルルドの聖母」の記念日としています。