潜水士試験
・資格の概要
以下、公益財団法人 安全衛生技術試験協会ホームページより引用。
『潜水器を用い、かつ、空気圧縮機、手押しポンプによる送気やボンベからの給気を受けて行う潜水の業務に就く際には、高気圧障害その他の危険が大きいことから、潜水士免許を受けなければなりません。
潜水士は、水中での土木作業やサルベージ作業、水産物採取、海洋調査などで活躍しています。』
https://exam.or.jp/exmn/H_shokai611.htm
・試験日程
年に複数回行われます。その中で出張試験が行われます。受験地が遠方である方は日程をよく検討して下さい。
https://exam.or.jp/exmn/H_nittei611.htm
・受験申請書(願書)の入手と作成
https://exam.or.jp/exmn/H_seikyu.htm
所定の費用を収めて郵送で入手する方法と、配布機関に出向いて直接入手する方法があります。申請書の様式が大きく変わることは無いと思われますが、○○年申請書と記載があったりしますので、切り替わる際は注意して下さい。自分は念の為申請書を取り直しました。なお、申請にあたって各種証明書等の添付書類が必要は場合があるので、期間に余裕をもって準備して下さい。
通常の受験地で受験する場合と、出張試験を受験する場合で記入が異なる場合があるので、注意して下さい。
・合格後の手続き
https://exam.or.jp/exmn/H_tetsuduki.htm
免許申請手続をおこないます。試験会場に無料で配布されています。なお、必要添付書類等が必要な場合があるので注意して下さい。
・試験内容
潜水士試験の試験科目は以下の通り。
①潜水業務 10問(30点)
②送気、潜降及び浮上 10問(25点)
③高気圧障害 10問(25点)
④関係法令 10問(20点)
①②は午前中・試験時間は2時間、③④は午後・試験時間は2時間で行われます。解答形式はすべてマーク式。解答用紙は短冊型のもの。問題用紙はB5程度の小さな冊子。受験番号記載のうえ、試験終了後回収されます。マークにあたっては、HBまたはBの鉛筆・シャープペンシルの使用。定規・電卓(機能制限あり)の使用可。試験に関する説明は試験開始の15分前から。
・試験対策
対策としては、最近の過去問3〜4年分(6〜8回分)で足ります。法改正により出題されないこととなる問題に注意して下さい。公表される過去問は以下のリンクからダウンロードできます。
https://exam.or.jp/exmn/LCkohyo.htm
勉強方法は、過去問の選択肢の正誤を自分で手直ししてみる方法を執ると良いでしょう。具体的には1年度(2回分)程度を、誤りの選択肢を正しい記述に手直しをします。正しい選択肢はそのままインプットします。計算問題については、計算式をインプットの上、電卓を無意識に操作出来るようになるまで繰り返します。どうしてそういう問題が出題されるのか、出題趣旨を理解して、人体の機能や潜水業務によるリスクを理解するのが望ましいです。あとは複数年の過去問を解いてみます。すると、同じ内容を聞いてるにもかかわらず、異なる聞き方をする選択肢や、相互に関連する知識を聞いている選択肢がみえてきます。そこまでいくと合格点を得点できているでしょう。最後に苦手な科目・知識を自らリストアップしたものを作成します。試験前に十分見直す時間があるのでチェックするようにします。
・参考になるサイト
・一般社団法人 日本潜水協会
潜水器等の具体的イメージは、日本語で検索するより、英語で検索した方が関連画像が多く出てきます。是非参照してみて下さい。
・DuckDuckGo
検索ワード : diving apparatus
・受験体験記
労働法を学ぶにあたり、海の労務管理にも関心があったこと、海に関連する法令に興味があったことの2つにあります。行政法規に無関係かといえばそうでもく、要するに関連知識に幅をもたせるために受験しました。
勉強方法は上記試験対策記載の通りです。その通りやれば、数週間で仕上がってきます。ポイントは、問題分をよく読むこと(気圧の単位等)。過去問1年分では、すべての選択肢に対応は出来ない(それでも合格点は採れる)場合があるように思います。勉強を進めれば気づくのですが、必ず知らない選択肢がわずかに出題されます。複数年の過去問をやることの意義は、その知らない問題に対応できるようにすることにあります。
自分は物理、生物等の科目の知識が極めて貧弱なので、高校生向けの物理・生物のテキストに目を通しました。医学辞典等も開いてみました。そこまでする必要はありませんが、Webの「解説集」なるものは信頼できず、専門書と突き合わせると実際に記述が極めていい加減なものもあったためそのような方法をとりました。潜水器などは検索ツールも利用してイメージから理解するようにしました。法令科目は条文をみます。当たり前のことを当たり前にやれば、問題なく得点できます。したがって、本試験は、受験申請書等の必要最小限度のコストと時間で取得出来るでしょう。
受験講座や参考書等は不要です。不安であれば購入しても良い程度のものと考えて良いと思います。このやり方で当日試験に臨み、ストップウォッチで計測したところ、所要時間13分程度で解答し終えました。もちろんマークミスから問題の読み違えが無いかなど基本的なルーティーンも終えて。想定通り知らない選択肢が出題されましたが、気にせず解答しました。結果は合格していました。
・補足
落ち着いて学べば、結果の出せる資格であると思います。ただ、やはり労務環境が厳しいため、潜水業務に従事する人たちの生命・身体の安全に深く関わる重要な試験であることに変わりありません。自動車運転免許試験を受け免許を交付されても、交通ルールを遵守することが出来ないドライバーが増えていることからも分かるように、前向きな意識を持ちつつ学ぶことも大切かもしれません。試験の難易度はさておき、やはり潜水士免許試験にも重要な役割があると思います。
公開された試験問題は正答が記してあるので、使い勝手を考えて、正答を消したものを利用出来るようにしておきました。適宜利用して下さい。