内容は以下の通りです。
[筆記試験]
・ 一般法律常識(概括的問題)
① 憲法
② 民法
③ 商法(第3編「海商」のみ対象。)
・ 海事法令(専門的問題)
① 国土交通省設置法
② 船舶法
③ 船舶安全法
④ 船舶のトン数の測度に関する法律
⑤ 船員法
⑥ 船員職業安定法
⑦ 船舶職員及び小型船舶操縦者法
⑧ 海上運送法、港湾運送事業法
⑨ 内航海運業法
⑩ 港則法
⑪ 海上交通安全法
⑫ 造船法
⑬ 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
⑭ 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際港湾施設に係る部分を除く。)
及びこれらの法律に基づく命令。
*フォントを強調している法令は,口述試験と重複する法令
[口述試験]
本年の筆記試験合格者及び前年の筆記試験合格者で本年の筆記試験免除の申請をした者に対して行われます。
・ 海事法令
① 船舶法
② 船舶安全法
③ 船員法
④ 船舶職員及び小型船舶操縦者法
* 最新の情報は,国土交通省のHPを参照して下さい。
1 憲法
憲法は,条文知識と判例知識が出題されます。
勉強方法としては,専門書を一通り読みます。全て分からなくてもとにかく読みます。全くの初学者の方は,恐らく目が文字を追うことで精一杯になるかもしれません。その場合,声に出して読み進めて下さ い。大声を出す必要はありません。クチを動かすだけでも結構です。そうすれば,聞き慣れない法律用語,判例の判旨やいい回しなど,段々拒否反応が無くなってきます。条文も同様です。憲法の条文数は, まだ少ない方です。全て読むにはさほど時間を要しません。面倒くさがらずに読むようにして下さい。
次に,大体,条文や専門書にどんな事が書かれているかが分かってくれば,過去問を解き始めます。国交省が公表する模範解答では,解説が不十分ですので,自ら解答の根拠となる条文や専門書の記載を頼り に自ら解答してみて下さい。
ここで重要なのは,その解答の解説を自らのことばで,誰にでも理解してもらえる様に説明することが出来ることです。暗記した解答をただ述べるのではありません。自ら説明できない事は理解が足りないと 考えて下さい。これはどの法分野でも同様で,極めて重要な事です。
2 民法
民法も,憲法とほぼ同様です。
ただ,民法は,理論体系から,学説,判例まで,極めて高度な理解が必要です。「民法を理解した」と公言するのは中々できるものではありません。幸い,海事代理士試験で,理論的整合性や学説を正面から 問われる事はありませんので,条文と判例を意識して,基本的な民法の専門書と過去問を中心に,かつ,それを限度に学んでいってください。
3 商法
商法も,憲法,民法と同様です。
ただし,海商法に限られるため,条文数は極めて限られます。しかも,民法,商法等の特別法の側面があります。ですので,民法を進めていきながら,商法も進めていくとより理解が深まるかもしれません。 なお,判例知識については,試験ではほとんど出題されませんので,「こういう判例があるのか」程度で良いと思います。ただ,くどいようですが,決して無駄な知識になる訳ではありません。
4 海事法令(専門的問題)
ここからは,圧倒されそうな法令数です。施行規則や施行令等を含めると気が遠くなります。
ここからは,以上の1~3で述べた方法をさらに,精度を増して進める必要があります。しかも,過去問で出題された当時とは,法令が改正され,用語そのものが変化していたり(たとえば,国土交通省設置 法等),制度や仕組みが変化している事もあります。なので,過去問を解く際にも,出題される法令については,「必ず」最新の条文にあたるようにしてください。判例についてですが,この点は,ほぼ出題 されることはありません。その分条文にあたる時間を増やして下さって結構です。
条文を読みつつ,専門書で該当箇所を読み,過去問を解く,説明出来るようになるまで,これらをバランス良く繰り返す。この点を最後にもう一度確認しておきます。