Note002
夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
夫(または妻)名義の実際住んでいる不動産を、妻(又は夫)に対してした贈与に関して、登録免許税等を負担して贈与を原因とする所有権移転登記手続が一段落しても、この贈与に対して税金がかかってくる場合が有ります。
大抵の場合、上記、不動産所有権の移転登記をする際、法務局において、固定資産の評価や課税について、税務署等に事前相談することを勧められます。これら手続きからしばらくすると(忘れたころに)、確定申告のお知らせ等が届いて驚かれる方もおられます。その税金に不安を感じられる方も少なくないでしょう。
その対策のひとつとして、夫婦間で、居住用の不動産を贈与した場合の納税額に対して、特別の控除が受けられる場合が有ります。一般的なケースで言うと、長期間の婚姻期間が有り、ずっと不動産を所有し、そこに居住してきて、これからもその不動産に居住する場合です。抽象的な表現ですが、広大な土地やその土地上の巨大な建物でなく、一般的な建売住宅で、下記の要件を満たせば、納税の必要が無い場合が少なく有りません。時間的余裕の有るうちに調べておいて、税務署等で相談すると、後の手続きがスムーズにいきます。該当すると思われる方は下記リンクを参照の上、是非チェックしてみて下さい。
□ 特例を受けるための適用要件
国税庁Webサイト
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4452.htm
・ 特例を受けるための適用要件
① 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
② 配偶者から贈与された財産が、 居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
③ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した 居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
* 「居住用不動産」とは、専ら居住の用に供する土地若しくは土地の上に存する権利又は家屋で国内にあるものをいいます。
* 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。
□ 土地家屋の評価 国税庁
国税庁Webサイト
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602.htm
令和元年分財産評価基準を見る 国税庁
*具体的な計算方法や、額については、税務署や各自治体の税事務所等に相談して下さい。
□ 添付書類
① 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本 ← 市役所窓口等で発行(有料)
② 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し ← 市役所窓口等で発行(有料)
③ 居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証するもの ← 法務局等で発行(有料・印紙で納付)
*①②はいずれかで足りることもあります。
*金銭ではなく居住用不動産の贈与を受けた場合は、上記の書類のほかに、その居住用不動産を評価するための書類(固定資産評価証明書など)が必要となります。
*添付書類については、特例の適用要件を充足する事項が記載されたものが必要となります(上記「特例を受けるための適用要件」参照)。
*不明な点は、事前に税務署が主催する無料税務相談や、不動産取得税については管轄の税事務所に相談するとアドバイスを受けられます。
□ 具体的手続き
税務署での確定申告の際、上記要件のチェックと、添付資料の提出、必要事項の入力をパソコンでおこないます(*e-Taxにより行える場合があります)。仮に必要な添付書類が不足していても、税務署から補充を求められるので、郵送にて追完することが可能です。
*e-Tax https://www.e-tax.nta.go.jp/