2014夏 北海道エクスカーション参加報告 (4日目)

8月12日 火曜日 (4日目)

朝7時に朝食。食堂の窓越しの眺めは、昨日までの雨風の天気とは打って変わって、青空が広がっている。 8時になって、クルマ3台に分乗し、まずは日高本線鵡川駅に向かう。

沿道では、晴れた空の下、朝採取されたばかりの昆布が干されている。 大昔は難所だった幌満も、昨日の往路に続き復路も「平成のトンネル」を抜けて、快調にドライブ。 昨日はねずみ色だった疾風怒濤の海は、うねりは残るものの、青さを取り戻していた。 様似町に入り、一昨日登頂に成功!したアポイ岳に別れを告げながら、浜辺に眼を移すと、羽を休めるカモメ類は等間隔に並んでいた。まるで鴨川のアベックと同じように、増えるにつれ間隔が詰まっていくのだろうかと車内で議論。

日高幌別駅で小休止、時刻表を見てみようと駅舎らしきものの中に入ると、そこはトイレだった。 その後車内では、野外調査時の安全の話題になり、ゴム長の危険性や、迷子、ハチ毒のアナフィラキシーなどがあがった。

日高町周辺の浜辺に寄り道。なぜかナンバープレートのない四輪駆動車がいっぱいだった。どうも昆布関係の作業車にしているようだ。途中のガソリンスタンドで給油したが、そこの看板に「鉄粉取り4千円」とあった。なぜそれが必要なのか、そもそもどんなことをするのか乗員全員?のまま出発。店員さんに聞くんだった。

鵡川からは山道のドライブとなり、道路事情から遠回りの道程を経て、ついにバシクルモンの自生地付近に到着。なぜか、軽い高揚感を感じながら歩いていく。途中の路上にヒグマの糞を発見。硬い種のようなものがたくさん混じっていた。糞の中にいた、緑に輝くオオセンチコガネ(写真1)の美しいこと。その後、空港に戻る時間を気にしながら、早足でバシクルモンをさがす。しばらくするとAさんが発見。花の季節は終わっていて、花柄が残っている個体もあった(写真2)。キョウチクトウ科の「草」とのことだが、茎はしっかりした感じだった。

まず、S隊長のバシクルモンへの愛情あふれる解説を拝聴した。それによると、本種は日本の固有変種。花が終わると花柄だけが残り、その後結実しても果実は非常に少ないため分散力は弱いとのこと。生息地は海岸付近の崖の岩場が多いが、この場所は川に近いので、道路工事の建設資材に紛れ込んで来たか、周辺の地質にある蛇紋岩が関係しているかもしれないとのこと。なお、Y副隊長の補足説明によると、現在、園芸的利用はなく、その目的での流通もしていないとのことだった。

また、足早にクルマに戻り、新千歳空港へと向かう。そして、空港の駐車場で解散となった。担当のSさん、いろいろお世話になりました。

個人的にこのエクスカーションの4日間を総括してみると、「最高!」の一言に尽きる。出会うもの、見るものがすべて新鮮で好奇心をかきたてるものばかりだった。全く専門的な世界にいない私でも十分楽しく過ごせたと思う。自分の年齢から、体力的についていけるか不安もあったが、それもなんとかなったようだ。

写真1 ヒグマの糞に集まるオオセンチコガネ。

写真2 バシクルモン。