ESJ59 絶滅危惧生態系自由集会
第59回生態学会自由集会 W29
「絶滅危惧生態系ってな~に? -希少種から見えるもの-」
日時:2012年3月19日(月)17時30分~
場所:龍谷大学瀬田キャンパス Building2 220号室 Room I
企画者:佐伯いく代(横浜国大)・横川昌史(京都大)・指村奈穂子(東京大)
希少種という概念は、生物多様性の保全を考える上で不可欠なものとなっている。加えてそれには独特の魅力があり、出会えたときの驚き、喜びなど、わたしたちの心を強くゆり動かす存在となることがある。 我が国ではこれまで、レッドリストの策定のように、主に個体数の少ない種(希少種)に着目した保護施策が展開されてきた。これは貴重な自然を守る上で大きな成果をあげてきたが、いくつかの問題点も指摘されている。たとえば、(1)「種」を単位として施策を展開するため、認識されていない未知の生物種への対応が困難である、(2)人々の保護意識が、希少種や象徴種など特定の生物に集中しやすい、(3)個体数を増加させることに重きがおかれ、その種を支える生態系の特徴やプロセスを守ることへの関心が薄れやすい、などである。 こうした問題の克服に向け、北米では「絶滅危惧生態系」という保護スキームが提案されている。これは、「種」ではなく「生態系」を単位として生物多様性の保全をすすめるアプローチであり、上述した問題を解決してくれる中核的なコンセプトとして位置付けられている。本自由集会ではまず絶滅危惧生態系の基本的な考え方を整理し、我が国においてはどのような絶滅危惧生態系が存在するか、またその生態系を特徴づける希少種にはどのようなものがあるかについて議論する。絶滅危惧生態系というキーワードを通じて希少種とわたしたちとの関係を見つめ直し、今後の生物多様性の保全のあり方について広く意見を交換することを目的とする。
趣旨説明:絶滅危惧生態系の中の希少種
佐伯いく代(横浜国大・環境情報)
小笠原の生態系を守るとはどういうことか
加藤英寿(首都大・牧野標本館)
照葉樹林生態系を地域とともに守るにはどうしたらよいか-宮崎県綾町、鹿児島県肝付町での取り組みから
朱宮丈晴(日本自然保護協会)
河川の撹乱プロセスを復元する異なる2つのアプローチ:チスジノリとバイカモ
三橋弘宗(兵庫県大/兵庫県博)
コメント
西廣淳(東京大学・農学生命科学)
総合討論
参加者の方々にはアンケートを配布しました。
お忙しい中、回答してくださったみなさま、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
※個々の資料をPDFでダウンロードしたい方は左のサイドバーの「ESJ59 公開資料一覧」へ進んでください。
雨のため無期限延期になってしまいましたが、エクスカーションも企画しました。
集会の様子。
写真手前の人口密度が低いので少なく見えますが、130名ほどの方に集まっていただきました。
ありがとうございました。
最終更新日:2012年4月29日