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卒業後の研修

1.研修中の米国における税務申告について

(1) W-2フォームの入手

研修を開始後、年が明けると、税務申告のために、研修先から、当該年度の給与額、控除額、実支払額等の数字をまとめたW-2フォームをもらいます。

多くの方が、LLM就学中は、米国内では収入なし、研修が始まってから、当該研修先からの給与のみが、米国内での収入になるかと思いますので、基本的に、このW-2フォームを受領すること及びこのフォームに記載されている数字を打ち込むことが、税務申告の準備となります。

(2) TurboTaxの利用

税務申告には、ターボタックス(http://turbotax.intuit.com)を利用している方が圧倒的に多いです。ウェブで容易に検索できます。

ターボタックスに、W-2フォームに記載されている数字情報を入れ、それを必要な送付先に送るだけです。必要な情報が記載されていれば、オンライン送付も可能です。

(3) 3箇所への書類の送付

インディアナ州でLLM、その後NYで研修という場合だと、(1)連邦税向け、(2)NY州向け及び(3)インディアナ州向けの3つの書類を用意し、それぞれ送付する必要があります。

(4) ご家族がいる場合の注意点

上記の税務申告資料を作成する場合、SSN (Social Security Number)またはITIN (Individual Taxpayer Identification Number)が必要です。

OPTの期間中であればF-1ビザ保持者であってもSSNの取得が可能です。しかし、その方の配偶者及び子供はSSNを取得することはできません。

この場合、SSNを取得できない方のためにITINの制度があるのですが、ITINを取得するためには、(1)あらかじめSSNを発行するSocial Security Administrationのオフィスにいって、SSNが発行できないという趣旨を記した“a letter of denial”を発行してもらい、それを添付資料として、Internal Revenue Service (IRS)にW-7フォームを提出することになります(詳細はIRSのホームページをご確認ください。)。

ご家族がいる場合、ご家族にITINがあると、様々な控除を受けることができ、連邦税が割安になりますので、研修開始後、早急にITINの取得の手続きをすることをお勧めいたします。

2.NY州における自動車及び自動車保険の保有の注意点

(1)運転免許の取得について

NY州で自動車保険を保有するには、NY州の運転免許をもっていなければいけません。インディアナで運転免許を取得している場合は切り替えればよいですが、国際免許で運転していた場合は新たに試験を受ける必要があります。

配偶者の方はSSNの取得ができないため、NY州の要求する本人証明の点数が足りなくなり、運転免許の取得をあきらめざるを得なくなる場合もあるようです。

そのため、公の証明書は、インディアナでできるだけ取っておいたほうが良いと思われます。

(2)NY州における自動車保険と国際免許

NY州のエージェントから、「奥さんは、国際免許しかないから、自動車保険が取得できない。」と言われる可能性があります。

NY州の規制は以下のとおりです。

(1)NY州は国際免許証の効力を認めていない。(2)ただし、別の国の発行しているオリジナルの運転免許証(日本の運転免許証等)は尊重する。(3)国際免許証は、それ自体として、NY州で運転することを基礎付けるものにはならないが、上記(2)を証明する一つの手段として有効である。

そのため、別の自動車保険のエージェントを通じてであれば、国際免許でも加入できる保険を見つけることも可能です。

(3)保険料は割高

上記のとおり、ようやく見つけた保険は、「Progressive」という大手自動車保険会社の一つのものでしたが、1か月4万円程度の(インディアナ州のときと比べ)とても割高なものでした。

(4) まとめ

自動車保険の扱いが、インディアナ州とNY州で、大きく異なります。NY州は、おおむねNon-native Unfriendlyであることに間違いありませんので、充分な覚悟が必要です。

高額な保険金支払から免れるためには、(NY州法違反の可能性はありますが)そのままインディアナ・ナンバーにして、保険も(NYへの住所変更はせず)そのまま継続しておいたほうがよいかもしれません。OPTの一年程度であれば、郵便物も転送されてきますので、不都合ありません。

NY州に自動車の名義を移したいのであれば、OPTで研修される方は、問題ないので、配偶者の方が車を利用されるかどうかにかかってきます。利用される場合は、国際免許のみ有している場合は例外的なようなので、インディアナ州で免許をとって、それを利用してNY州の運転免許も取得するほうがよろしいかと思います。

いずれにせよ、NYに行ったら、そこのエージェントに連絡をして、手続きをすればよい。その変更手続だけすればよく、何も不都合ないなどと考えて、住所変更の手続だけをしてしまうと、「あなたの自動車保険は、○月○日限り無効になります。」というような手紙を受け取ることになります。