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瀬戸の本業焼きと言えば、どの様な焼き物を想像するだろう。
きっと、誰もが「せともの」「磁器」「いろいろあり過ぎて特徴がない」というイメージを持つだろう。
私が思うのは、実は、せとものには、様々な焼き物があってそれぞれには、別々の特徴があるのでは?という所である。いわゆる「せともの」とひとつの括りで見てしまうといろいろ混ざって特徴が見えなくなるのではないかと思うのである。
そこで例えば、本業焼きの特徴について個人的な見解ではあるが考えてみた。
特徴1: 瀬戸の本業焼きは、粘土から作る陶器である。
特徴2: 瀬戸の粘土は、良質で真っ白である。「木節粘土」「蛙目粘土」など
特徴3: 不純物?が少ないので高温でないと焼き締まりにくい
特徴4: 地が真っ白なので釉薬が発達した。「灰釉」「鉄釉」など
特徴5: 大量生産が盛んで、より大量により多く作れるような形 「シンプル」
特徴6: 陶器の欠けやすい特徴を補う形状 「玉縁」「幅広の高台」など
大まかにこのような特徴があるのではないかと思う。
そこから見えるのは、角がとれ丸みを帯びたシンプルな形で、無地で飾り気の無い素朴な陶器こそ本業焼きの原点ではないかと私は思うのである。
確かに一里塚本業窯にある「無地でなんの変哲も無い生地に灰釉だけ」のような器は、余りにも素朴過ぎて他では作られていないのではないかと思う。しかしこの器こそまさしく本業焼きの基本なのかも知れない。
ただ、この無地で灰釉の器は出しゃばらず、料理を上手に映えさせる不思議な力があるような気がする。
そして長らく使っていても飽きがこない。味わい深いうつわであると思う。