非常に限られたパワーブックユーザに贈る。
まえがき
今でも熱烈なファンも多いオールドパワーブック。この中でも私が愛用しているのは「マック史上初のカラー液晶搭載ラップトップモデル」そう、PowerBook 165c です。カラーノートを要望するユーザの声に応えて、最初に発表されたのは1993年。ところがその期待とは裏腹に、それまでのTFTグレー液晶と比較して、あまりに遅いSTN液晶にユーザーにそっぽを向かれ、瞬く間に市場から消えていった短命なモデルでもありました。
現在でも場面によっては実用となることは前述のとおりですが、この古いマックでもできることはまだまだあります。なかでも内蔵モデムを利用したファクス送受信機能はぜひ試していただきたい機能のひとつです。
しかし、現在1XX系PB用の内蔵モデムは入手しづらい状況で、運良くApple純正のモデムが入手できれば良いのですが、そうでない他社製のモデムを購入してしまうと、後がたいへんです。特に、ドライバもソフトウエアも説明書も無い中古ではなおさらです。
かく言う私も、純正モデムが入手できずに、他社製モデムを中古で購入したのでした。
本題
他社製モデムでもPPPを使ったダイアルアップでのネット接続や、コミュニケーションツールボックスを利用した各種のソフトウエアなら問題なく使えるはずです。しかし、PBでファクス送受信をしようと思っているならば、少し事情が複雑です。唯一フリーで使えるのはApple純正の「ExpressModem」ソフトなのですが、これはApple純正モデムにしか使えません。これでモデムが認識されればその内蔵モデムは「純正品」なので問題無いのですが、そうで無い場合、モデムにファクスソフト(多くは英語版)が付属していなければ、市販のファクスソフトを使わなくてはなりません。
しかし、「古いPBに高価なソフトなど必要無い。」とおっしゃるあなたには(私もその一人)少し工夫が必要です。私もネット検索でいろいろ調べましたがあまり情報は出てきません。唯一行き当たったのが、以下の方法でした。
Appleシリアルモデムを使う
本来このソフトはPB1400、2400シリーズのPCカードモデムを使うためのドライバです。もちろん日本語版です。本当ならPPC上でしか動かなくても不思議では無いのですが、Apple純正のコントロールパネル書類は多くのものが68kマック上でも動くことがわかっています。そこで、それを1XXシリーズの内蔵モデムを認識するのに拝借してしまおうと考えました。
この方法は、マックOS7・6と8・0のディスクをお持ちの方にしか使えない方法です。
その上、どのPBでも動作するというものではありません。最悪の場合システムクラッシュを引き起こします。
どうしても「Apple純正ファクスソフトでなくちゃヤダ!」とか「日本語表示でないと困る!」とか、「市販のソフトが高くて買えない!」などと言う人以外は避けた方がいいでしょう。インストールした場合でも全ては自己責任で行うことが前提です。
まず、PBに正しくモデムを取り付けましょう。5XXシリーズに比べれば、1XXシリーズのモデムはボディーを開腹するだけで取り付けられるので簡単です。
正しく取り付けられていれば「PowerBook セットアップ」コントロールパネルに「内蔵モデム」のラジオボタンが表示されているはずです。
MacOS8・0CD ┗Mac OS 特別付録 ┗Apple テレコム ┗PowerBook ┗PCカードモデム用 ┗Apple テレコム Ver 3.2.2 ┗Apple テレコム ディスク 1 ┗インストーラ
再起動すると、アイコンパレードにモデムのアイコンが加わっているはずです。しかし、これだけではファクス機能が使えません。続けてファクスソフトをインストールしましょう。
MacOS7・6CD ┗Mac OS 特別付録 ┗Apple テレコム ┗Apple テレコム インストール
再起動すると、アイコンパレードにFAXマシンのアイコンが現れるでしょう。これで、内蔵モデム経由でApple純正ファクスソフトが使えるはずです。主な設定は以下のとおりです。
また本来の用途であるシリアルポート経由で多くの外づけモデムを使うことも出来るようになります。実は、デスクトップ機では外付けモデムでファクスをするのにこのソフトを利用しています。
おまけ
上記は日本語OSでお使いの場合ですが、もし英語版で問題ない方は、以下のサイトでダウンロードできます。
「Appleシリアルモデム」は配付されいないようです。国内版と通信の仕様が違うからかも知れません。(私は専門外です。)国内法に触れる恐れもありますので、くれぐれも導入は自己責任で!