■■■NetBSD導入記(2004/5月)
まえがき
NetBSD。知る人ぞ知るフリーのOS。昔はMacBSDと呼ばれて68kMacを最新ネットワークマシンとしてよみがえらせる方法として静かなブームとなっていた。私も数年前からこんな噂は耳にしてはいたが、UNIXなどシロウトに扱えるわけはなく、単なる知識として脳ミソの片隅に追いやられていたものだった。
1年前からウインドウズを使い始め、ネットワークでのファイルの交換の必要が生じた、幸い使い道のなくなったパワーブック520cを常時駆動してウエブサーバを起ち上げた。昔InternetExplorerにおまけでついてきたPWS(Personal Web Server)使っているのだが、MacとWinが相互乗り入れできるプロトコルはFTP経由の面倒なものだ。ファイルを交換する度にローカルトーク並みに簡単にできないかと考えるようになっていた。そこで思い出したのがNetBSD。古い68kMacをファイルサーバに仕立てて、ウインドウズからもMacからもネットワークドライブの感覚で扱えるようにできる。と、何かの本で読んだ気がする…
目次
■インストール
はじめに断わっておくが、私はコンピュータはもちろんUNIXなどに関してはズブの素人。ここに書いたものはあくまでも自分自身の記憶の助けのためであり、第三者にすすめているわけでは無い。私自身、何をどうすればいいのかもわからず、ひたすら公式ホームページに目を通すことから始めたクチなので、正確に記述できないことも多いことも、そういう事情ですのでお許しいただきたい。
そんな乏しい知識でもこれだけは真っ先に調べた。とりあえずNetBSDをインストールするための自分の持っているハードウエアが対応しているかどうか。NetBSD(以降はNetBSD=NetBSD mac68kです)をインストールするために最低限以下の3つの条件を満たしていなくてはならない。
また、ディスクは最低限80MB以上(起動するだけで精一杯)メモリが8MB以上と当時のマシンにはリーズナブルだ。しかし、私が目的としているネットワークのホストにするためにはイーサネットポートまたはNuBusカード(チップに制限がある)などで接続できることが必要になる。
ところが残念ながらわが家の68kMacにはこれを完全に満足させる機種が無い。165cは構成としては十分満足だが、イーサネットポートが無い。520cはAAUIのイーサネットポートはあるが、FPUが無い。まあ、ここで断念してもいいのだが、FPUが無い機種であっても最新のkernelであれば起動する。と書いてあるのを見つけた。それに、NetBSDのバージョン1.4以降であれば550cに限って対応機種に名を連ねている。つまり、CPUを68LC040からFPU搭載の68040に交換すれば、520cでフル対応できるという意味ではないのか?
しかし、パワーブック550cは知ってのとおり日本限定発売の希少機種。結構売れたとは言っても「Banzai」と呼ばれる68040のCPU単品ではなかなか手に入らない。これを入手するまで指をくわえて見ているのもつまらないので、とりあえずFPUの無いままインストールを行うことにした。古いバージョンでは起動すらできなかったらしいが、最近はFPE(Floating Point Emulator)というのが働いて、FPUの無い機種でも、とりあえず起動だけはできるとある。もちろん最新版システム1・6・2を使う。
現状での520cの内蔵ドライブは320MB。コンパイル作業(ネットワークサーバにするには必須)をするには最低でも300MBは必要らしいので、Seagate製のアップル純正ドライブを外付けにして、そこへインストールすることにした。
インストールに必要なファイルや、ツールはすべて公式FTPサイトからダウンロードできます。
外付けドライブへのインストールならブートするためのMacパーティションは必要無いのだが、一応Macシステム用のパーティションを2MBとっておく。残りの498MBをUNIXのフォーマットにするのだが、とにかく必要なのは、最初のパーティションにA/UX Root&User、仮想記憶に使うSwapパーティションを物理メモリの2倍、つまり私の520cに搭載されている36MBの2倍で72MB、最後の2MBにStandardMacintoshを割り当てた。これはどこかのホームページでMacパーティションが先頭部分にあると問題が出るかも、と書かれていたのを読んだからで、別にどこでもいいのかも知れない…
これができたらMkfs(メイクファイルシステムの略なんだろーな…)というBSDファイルフォーマッタで今作ったRoot&Userパーティションをフォーマットしておく。(SwapとMacパーティションはほっておく)
普通はNetBSDシステムをFTPやCDROMで入手したら、ローカルディスクにコピーしてインストールするらしいが、ディスクスペースに余裕が無いのでネットワーク経由でのインストールをすることにした。ダウンロードしたシステム(gzipという形式で圧縮されたファイル群)を置いた別のMacのファイル共有を開始して、インストール対象のマシンから(ここでは520c)ローカルトーク接続。システムのあるディスクをマウントした状態で、Installerアプリケーションを起ち上げたら、インストール先のSCSIIDを選択して、Installメニューを選ぶと開くダイアログから必要なファイルを選択すればいい。(複数選択可)
最初はとりあえず起動できるか試せるだけの最小限のインストールをした。必要なのは以下の3つ。
とにかく時間がかかるので、ここはコンパイラ(comp.tgz)やテキスト(text.tgz)などはあとから追加する。
この最小限のファイルだけでも1時間近く費やしてようやく展開された。展開が正常に終わったら、インストーラのメニューから”Build Devices”を選んでデバイスを構築しておく。(意味はわからないが、入出力デバイスの設定をしてくれているようだ…)これも結構時間がかかるがインストールよりははるかに短い。
エラーが無ければ、とりあえず起動できるファイルはインストールされた。はず…
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