前置き:すでにPowerMacには、Debian 4.0r3 etchがインストールされた状態ですが、私は、HDD容量が少ない環境だったため、インストールの時点のtasksel画面で「標準インストール」だけを選択しました。
インストールの時点で「デスクトップ環境」ってのを選択しておけば、ここか ら先の作業の必要はない。
ではなぜ、こんな面倒なことをしているかというと、実は、インストールのための空き領域がたったの1・4ギガバイトしか確保できなかったので、「デスクトップ環境」を選んでインストールしたら、途中で「空きがねーよ!ドアホ!」とインストーラ画面に真っ赤になって怒られた。で、しかたなく、必要な環境を後でインストールすることにしたというわけ。
空き容量が3ギガ以上確保できるなら(いまどきできて当然だな…)、インストールの時点で「デスクトップ環境」にチェックを入れてインストールすることを「強く」おすすめします…
で、少容量のHDDしか確保できないが、Linuxのデスクトップで遊んでみたいという「限られた」物好きのひとを除いて、次の項目へ→
必要なものはログインマネージャー、ウインドウマネージャー、ファイルマネージャ、そして、デスクトップマネージャー。これさえあれば、とりあえずデスクトップは立ち上がる。わたしの少ない経験から、弾き出した組合せは。
gdm gnome-core xserver-xorg-core xscreensaver
これをルート権限で
# aptitude install ほげほげ~
「ほげほげ~」のところに、スペース区切りで上記のソフトを列挙すれば、小一時間でインストールできる。
端末から
# startx
とやると、ようやく見慣れたGUI画面にもどることができるはずだ。
Xorgのxserverは、Xfree86のと違って、インストール時になんの設定もいらずに、勝手にハードウエアを判定して、すでに全ての機能が使えるようになっている。(アップグレードの甲斐があった~っ♪)
ただし、まだまだ、チマチマと自分好みに環境を整えていかなければならない。
sargeではできなかったリモートテキストの直接編集もgeditでできるようになったし、日本語入力メソッドもsargeでは使いものにならなかったUIMが、かなり使えるレベルになっていた。よしよし。
ところが! ところがだ。 日本語環境だの、マルチメディア環境だの一通りインストールしていて気が付いた。
「USBが認識しない!」
問題発生
デスクトップ環境で遊びはじめたところで、USBカードが動作していないことに気が付いた。データバックアップ用の外付HDDや、デジカメ写真のデータ取 り込み用のフラッシュメディアリーダーなどが、これでは使えない。
私のPM7500には、当然純正のUSB端子などはなく、PCI拡張スロットに他社製のUSB/FireWireカードを挿して、USB機器をごく当り前に使っていた。もちろんDebianでもsargeの時点では問題なく使えることは確認していたが、これがまったく認識しない。いや、正確にはシステム上では認識している(lspciや、lsusbコマンドではちゃんとハブの一覧が表示されるのだ)ものの、カーネルが、プラグの抜き差しを認識しないというほうが正確かもしれない。どうやら、プラグを抜き差ししたことすらわからないようで、外付フロッピーなどは、プラグに差し込んでも電源ランプが点灯しないのだ。もちろんdmesgにも何のメッセージも流れて来ない。
システムをすこし眺めていると、sargeで使われていたhotplugというのが消えてなくなって、udevだけになっていることに気が付いた。なんだ、これじゃホットプラグデバイスは使えないわけだよな…
さっそくhotplugを追加でインストール。ところが、これをインストールするにはudevを消せと要求され、udevを消すと同時に、なぜかkernelも消されてしまう。kernelを消せばシステムは動かない…
困った… というのは、お絵書きするためのペンタブレットをUSB経由で使えないかと目論んでいたのだ。システムをetchにすると、標準でwacomのドライバがインストールできる。もしかしたら、お絵書きもできるかも… と淡い希望をもっていたのが、これでは不可能だ。もしかしたら、カーネルの再構築とかなんかで、使えるようにできるのかもしれないが、前述のとおり、ディスクスペースがなくてカーネルソースすら、ダウンロードできない。
不具合はUSBだけではない。sargeではストリーミング動画を問題なく見る事ができたRealplayerも、etchにしたとたんに、見えないことが判明した。システム標準でhelixplayerというのも用意されているが、これも画像が動かない。(音声だけなら再生できるのだが…)
マックでもウインドウズでも無いことではないが、旧システムでできたことが、アップグレードによってできなくなる事くらい、ヘコマされることはない。なんのためのアップグレードかっ! 昇進したと同時に給料減らされたみたいな気分だ…
疲れがどっとでて、チャレンジはここで終った。
実際は2週間あまり試行錯誤を繰り返したのだが、詳細は割愛。
結論。「カーネルヴァージョン2.6.9以降のdebianPPCは、OldWorldマシンはサポート外である?!」結局、現在はsarge(カーネル2.6.8-4)で遊んでいる。
2008年にsargeのセキュリティアップデートは終了。か…