2026年~(第93回~)
★2026年
心の科学の基礎論研究会 (第93回) &第6回人間科学研究会・合同研究会
●日時:2026年3月21日(土)13:30-16:45
●場所:Zoom開催
参加ご希望の方は、田中彰吾(東海大学 )までメール(shg.tanaka@gmail.com)にてご連絡ください。Zoom 参加情報をお送りします。(参加資格は特にありません。)
●プログラム:
13:30-15:00 講演1
「仏教からの現象学入門、その逆もまた然り:エポケーとしてのマンドフルネス瞑想」田端健人(宮城教育大学)
「仏(buddha)」とは、古代インドのパーリ語で「覚醒した者」のことである。この覚醒への第一歩は、誰でもいつでもどこでもこの身このままで歩むことができる。その一つが、米国でストレス低減医療法として開発され成果をあげてきた、仏教由来のマインドフルネス呼吸瞑想である。本発表では、聴講者と共にこの瞑想の初歩を実践し、そこで生じる自我の二重化を経験してみる。次に、各自のこの生身の経験を現象学的に記述することで、この経験がフッサールのいうエポケー(判断中止)の一種であり、覚醒する新たな自我が超越論的主観性であることを確認し、現象学の核心を仏教的に実感をもって理解する。
その上でこの二重の自己の成長と「知の完成(般若波羅蜜多)」について、仏陀とフッサールの言葉をもとに考えてみたい。
15:15-16:45 講演2
「女子刑務所における不確かな身体感覚や感情の言語化過程」
宮崎あゆみ(日本女子大学・国際基督教大学)
刑務所は生きられた場の網目から断裂した場所 (Leder 2016) であり、女性受刑者たちは、過去の自己像から切り離される実存的危機に直面している。また受刑者の多くが、貧困や差別やパートナーからの暴力を経験し、摂食障害などの身体的精神的問題を抱え(仲野 2021)、子供と別れ、母親役割が果たせない恥や罪の意識や痛みを経験している。このような状況で、彼女たちが自らの身体や感情を感じることは至難の業である。本発表では、女子刑務所の窃盗再犯防止プログラムの観察とインタビューをもとに、女性受刑者たちの生きられた経験を明らかにし、どのように彼女たちが講師と共に言葉を紡ぐことで、自らの身体感覚や感情を取り戻しながら、立ち直り、癒されていくのかを考えたい。