分科会概要

分科会概要プレゼンテーション(Prezi):

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分科会の目的:

このたび、文化資源学会設立10年の節目を迎え、「文化資源学の展望プロジェクト」の一環として文化資源とテクノロジーの関係をより深く、より広く、より遠くまで考えるための研究会を立ち上げることになりました。

確かに、テクノロジーを作り出すのは私たち人間です。

しかしながら、ひとたびテクノロジーがうまく私たちの生活にはまると、私たちはもはやその存在を意識することすら難しくなるぐらい、テクノロジーに支えられた生活に馴染んでしまいます。

衣服しかり、自動車しかり、コンピュータしかり。時には、いったん頼り始めたテクノロジーから抜けられなくなり、いつの間にか逆に苦しめられるなんてこともあるのは皆さんご存知の通りです。

文化資源がテクノロジーに支えられていることは確かです。しかし、両者の関係は一筋縄ではいきません。このもつれ具合をゆっくりと共同で考えていくための場として、この研究会は構想されました。

分科会の内容:

文化の生成・変化・衰退,また,その価値の(再)発見において、テクノロジー(道具や機械とその使い方)は重要な要素です。

特に、文化資源学にとって、文化の記録、保存、分析、発信、共有のテクノロジーは研究を支えるインフラであり、研究方法や共同作業のあり方にも影響を及ぼしています。

また、つねに変化し続ける記録や保管の技術はそれ自体、貴重な文化資源でもあります。

この研究会では文化資源を支えるテクノロジー、特に記録や保存のテクノロジーに注目し、現場訪問や専門家を招いた討論を行っていきます。

分科会が問う「三つの質問」:

文テク研究会では文化資源を生み出す現場に注目し、訪問や講演を通じて、文化資源がいかなるテクノロジーに支えられてきたのか、また逆に、文化資源の生成、変化、衰退がテクノロジーの動態にどのような影響を与えてきたのか、を考えていきます。

研究会の内容や進め方は、お話を伺う団体や専門家のご要望に応じて変わりますが、毎回、次の3つの質問にお答えいただこうと考えています。

これら3つの質問を軸に、文化資源とテクノロジーの関係について、新しい見方が生まれるような対話の場を作り出すことを目指しています。

1.その分野で最古の現役技術は?

お仕事にかかわるテクノロジーの中で、最も古くから使われている現役のテクノロジーはどういうものでしょうか?

2.その分野で最新の技術は?

仕事場で、今、注目株の新しいテクノロジーはありますか?

3.その分野で最も**な技術は?

**の中身は、訪問先の皆さまにお任せいたします。どうぞ、この機会に文化資源学会員に向けて話題にしてみたい言葉を自由にお選びください。

文化資源学とは:

文化資源とは、ある時代の社会と文化を知るための手がかりとなる貴重な資料の総体です。

それらは必ずしも博物館や資料庫に収蔵されているわけではなく、また、建物や都市の景観、あるいは伝統的な芸能や祭礼など、有形無形のものも含まれます。

しかし、多くの資料は死蔵され、消費され、活用されないまま忘れられています。

埋もれた膨大な資料の蓄積を、現在および将来の社会で活用できるように再生・加工させ、新たな文化を育む土壌として資料を資源化し活用可能にすることが必要です。

この新しい分野を開拓するのが文化資源学の役目であり、文化資源学は、世界に散在する多種多様な資料を学術研究や人類文化の発展に有用な資源として活用することを目的としています。

文責・分科会企画:

中村雄祐(東京大学大学院 人文社会系研究科文化資源学研究専攻 教授)

鈴木親彦(群馬県立女子大学 文学部総合教養学科 准教授)


分科会に関する問い合わせ先:

文化資源学会事務局 bunka@l.u-tokyo.ac.jp


(2017年4月更新)

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